POGクリニック ~ヒトでPOGを戦う競馬ブログ~

仲間内のPOGで何年かに一回優勝している管理人が「騎手から競馬を予想する」切り口を応用し、厩舎や馬主のデータで「人物からPOGの戦略」を行ってみます。備忘録として内輪向けPOGに関する処方箋を出してもらうクリニックのようなブログ、次の方どうぞ~♪

騎手から競馬を予想するキシュランガイドの管理人は、仲間内のPOGで何年かに一回優勝しています。
備忘録としてPOGに関する処方箋?を出してもらうクリニックを頼ってみます。
【これまでの主な指名馬】
(GI馬)ダイワスカーレット・アヴェンチュラ・ディープブリランテ・オルフェーヴル・ジョワドヴィーヴル・イスラボニータ・ヴィブロス・ワグネリアン・レシステンシア・デアリングタクト
(重賞勝ち馬)フィーユドゥレーヴ・マイネイサベル・ザラストロ・ファンディーナ・ロックディスタウン・ミヤマザクラ・リアアメリア・ステラヴェローチェ・レッドジェネシス
(GI好走)カレンブーケドール

みなさん、こんにちは
多幸@キシュランガイドです。

こちらのページでは厩舎別の考察を行います。
今回は 木村哲也厩舎 です。

※POGに参加する一個人の見解が記載されております。
一部未確定・未確認の事項もございますことを、あらかじめご承知おきください。

次世代の関東エース候補と、私たちの仲間内POGでは評価されています。
私個人はそこまでの期待をなんとなくですが、掛けてはいません。
まだGIを勝っているワケでは無いって言うのも大きいですが、念のため言っておきます。

このまま低空飛行は無いでしょうよ

ただ、確証に繋がる様なデータもまだ無いのが事実。
今後の指名には避けて通れない厩舎だけに、方向性を毎年アップロードしていく必要はありそうですね。
あーアタマ痛いわ。


まずは、ここ5年間の成績を出してみます。
昨年度(2017-2018)のPOGではステルヴィオが大活躍。

1走あたりの賞金も、まだ2歳戦がちょっとしか始まっていないのに、賞金合計額もぐぐーんと伸ばしてくれました。
比較の為に掲載しておりますが、実質大切なのは2015年や2016年の成績でしょう。

レース検索

レース検索  年・年月別集計

年・年月 着別度数 賞金合計1走当賞金
2018年 11- 8- 5- 29/ 5321750万円410万円
2017年 13- 14- 12- 41/ 8021945万円274万円
2016年 18- 22- 10- 73/12322013万円178万円
2015年 19- 9- 9- 63/10022891万円228万円
2014年 9- 8- 12- 84/1139779万円86万円
2013年 6- 6- 5- 80/ 975811万円59万円
集計期間:2013. 1. 5 ~ 2018. 6.16

木村哲也厩舎は牝馬では結果を出しやすく、牡馬では奮わなかったのが2017年までのPOGで見せていた傾向でした。
いよいよ牡馬にも・・・と思いたいところですが、毎年のように各クラブなり有力な馬主さんから預かっていながら、もっと結果が出そうな気もしてくるんです。

それがなんでこんなに時間が掛かったのかを考え、今後の戦略に生かしていくしかなさそうです。

ちなみに、この集計期間内に賞金を稼いだトップ5を挙げてみましょう。
何か傾向があるかもしれません。
レース検索

レース検索  馬別集計

着別度数 賞金合計1走当賞金
ステルヴィオ    3- 2- 0- 2/ 713500万円1928万円
$アルビアーノ    3- 1- 0- 0/ 48420万円2105万円
プリモシーン    2- 1- 0- 2/ 55330万円1066万円
フローレスマジック 1- 2- 2- 1/ 64160万円693万円
ヴェラヴァルスター 2- 1- 1- 1/ 53000万円600万円
集計期間:2013. 1. 5 ~ 2018. 6.16
ソート:賞金合計順

ディープインパクト以外で結果を出しているのが、かなり目立っていますよね。

そもそもの話。
馬主さんの実験台のような、そんな馬を預かっていたのも原因。
これは責めないでおきましょう。

その上で、ロードカナロア×ヌレイエフ(Nureyev)または、ニアリークロスになるフェアリーキング。
出来れば5×3にしたいけど、最低でも5×4でどうにか。
このトレンドにあるプリモシーンやステルヴィオを、とりあえずクラシックに載せた実績を考えれば、楽しみなのはむしろこれからです。

兄弟が走る馬を管理させ、どれだけのパフォーマンスを見せてくれるのか。
ここが注目ポイントになるでしょう。

ただ、先程も申し上げたようにディープインパクトでなかなか稼げない。
もっと言えば、キングカメハメハでもなかなか稼げていません。
ここがどうしてなのかを、POGクリニックなりに考えます。

レース検索

レース検索  種牡馬別集計

種牡馬 着別度数 賞金合計1走当賞金平均着平人気
ディープインパクト 6-12- 5-18/4114460万円352万円5.0着3.8人気
ロードカナロア 3- 2- 0- 2/ 713500万円1928万円2.7着2.3人気
Harlan's Holiday 3- 1- 0- 0/ 48420万円2105万円1.3着2.3人気
ステイゴールド 5- 4- 8-10/276790万円251万円4.4着4.1人気
ハービンジャー 5- 2- 6-14/276029万円223万円3.9着4.1人気
ハーツクライ 3- 4- 2- 8/174290万円252万円4.5着3.9人気
Dubawi 3- 2- 2- 3/103860万円386万円2.6着3.4人気
キングカメハメハ 5- 0- 2-10/173477万円204万円5.3着3.8人気
ダイワメジャー 3- 1- 2- 7/133162万円243万円4.5着4.8人気
ルーラーシップ 2- 3- 3- 2/103150万円315万円2.9着1.2人気
集計期間:2013. 1. 5 ~ 2018. 6.16
ソート:賞金合計順

まず①として、
ウッドチップコースで仕上げる過程が、1走で1500万以上稼ぐ仕様ではない

次に②として、
馬の絶対能力に頼るしかない

これから改善していくとは思いながらも③として
馬の状態把握が理路整然としていない

④として、
騎手起用が戸崎圭太騎手・C.ルメール騎手の2択で、来日している一流の外国人騎手を確保できるかどうかが不透明

と言うのが大きく分けるところです。
個人的な見解ですが、楽しみは確かにこれからなんですけど、運が良ければ・・・の範疇を出ないんです。
だから取捨選択はハッキリしやすいのかなぁと言うのが、これまでを振り返ると正直なところです。
なので、見向きもされない厩舎に成り下がっていく可能性すらあるんですよ。

でも、POGクリニックとしてはせっかくサラリーマンの世界から調教師になってくれた方をただ切り捨てるつもりも無いですし、
美浦トレセンの空気を変えるぐらいに活躍し、競馬界を更に盛り上げて欲しいなと強く願っています。

しかし、POGの指名馬を選ぶ上では心を鬼にしなくてはなりません。
各項目についてご説明をしましょう。



①ウッドチップコースで仕上げる過程が、1走で1500万以上稼ぐ仕様ではない
木村哲也厩舎の代名詞とも言える、美浦のウッドコース4ハロン追い。
短いのがダメだと言っているんじゃないんです。
もちろん5ハロンや6ハロンから追い出したりとか、そう言う事も交えつつ4ハロンも有効活用してくれれば良いんです。
ディープインパクト産駒に限らず、キングカメハメハ産駒でも結果が出ないと言うことでピンときたのは、競馬王と言う雑誌などに連載している本島修司氏の受け売りでもあるあの説。

強いキングカメハメハ産駒の見分け方は、
勝負どころのコーナーで加速しながら回ってくる事ができるかどうか

これなんですよ。
木村哲也厩舎は確かにコース調教もかなり多くしてくれますが、牧場であらかた仕上がっているので最終追いきりが微調整と言うような調教内容なのが、非常に多く目立ちます。

例えば、ウッドコース4ハロン追いとした場合、通る位置がコースの外側を示す[7]とか[8]なんてケースがまずありません。
大体が[3][4]と言うところを通ります。
そして追うにしても、直線で強めに追う程度。

しかもウッドコースの外側を使って追い切るにしても、大体が馬なり余力と言うパターンが殆どなんです。

トップスピードを出しながら曲がる事が難しいのは、乗馬をやったことが無い人であっても、学校の校庭などで走ったり自転車をこいでいれば、コケるなどして体感出来る事です。

キングカメハメハ産駒・ルーラーシップ産駒の長所が埋没してしまい、
ディープインパクト産駒の持つ切れ味+競り合いで求められるメンタル面と筋持久力を鍛える機会が少なくなる。

其処により早く走らせるチャレンジを、なかなかしてくれない
栗東では当たり前のようにされて居る事を、取り入れてはくれない
これが関西馬と当たった時にモロに出てしまっています。

僅かな差かもしれませんが、塵も積もれば山となります。
中山競馬場でどうにかなっているのは、関東馬同士で当たっていたり関西馬は輸送で本来の能力を発揮しきれないケースにも助けられたからでしょう。

レース検索

レース検索  場所別集計

場所 着別度数 賞金合計1走当賞金
札幌 1- 1- 0- 1/ 31880万円626万円
函館 4- 2- 0- 6/ 122619万円218万円
福島 0- 2- 2- 16/ 201155万円57万円
新潟 5- 6- 5- 27/ 435385万円125万円
東京 34- 28- 22-175/25943536万円168万円
中山 31- 22- 22-128/20343869万円216万円
中京 0- 1- 0- 11/ 12250万円20万円
京都 1- 1- 0- 2/ 41120万円280万円
阪神 0- 4- 1- 3/ 84245万円530万円
小倉 0- 0- 1- 1/ 2130万円65万円
集計期間:2013. 1. 5 ~ 2018. 6.16

厩舎の存在意義は何なのかを考えると、故障させない事を第一に考える調教師もいらっしゃいます。
これも確かに凄く大事な事。
ただ、調教師としては「レースに勝たせるために最善を尽くす」必要もあるのですから、より鍛えて強くする事の知識・経験で差を付けられてしまいます。

調教助手・調教師自身も調教助手経験がありますので、馬の乗り方で何が難しいのかは良く分かっていると思います。
これが単なる乗り役の実力不足なのか、意図的な厩舎方針なのかは次の項目でも考えてみます。



②馬の絶対能力に頼るしかない
結局のところ、調教で能力・経験の積み増しが出来ないとなると、馬の能力だけで勝負するしかなくなります。
ほんの僅かの差が1着と2着を分けるのが競馬の世界。
そこに、絶対能力でリードしている2歳馬なんて、早々滅多には居ません。
もし仮にいたとしても世代で片手行くかどうかぐらいなものでしょう。

だからこそデビュー前とデビュー後の調教は大事なのですし、
ましてや故障や怪我だってしてしまうサラブレットなんですから、
調教師の存在・育成方針は非常に重要視される事項です。

現に重賞を勝てる調教師と、まったくウダツの上がらない調教師では、やって居る事と考えて居る事と、オーナーとの付き合い方だった全く異なります。

先程①でコース追い切りの「単なる乗り役の実力不足なのか、意図的な厩舎方針なのか」について言うと、
もし乗り役の実力不足なだけなら、美浦の騎手を上手く使う事だって出来るわけですから、やはり意図的な厩舎方針だと考えるのが自然です。
よく言えば馬優先ですけど、言葉を選ばず言えば「オーナーの期待に応えるため」の最善策を、未だ模索中と言うしかないのでしょうね。

もちろん愛馬を預ける先の選択肢としては、3歳クラシックにこだわらなければ有力な厩舎と考えて差し支えないはずです。



馬の状態把握が理路整然としていない
こればかりは素人がいくら騒いでも、実行するのは センセイ なんで、あくまでも参考程度でしかないんですが、木村哲也厩舎をPOGで指名することの最大のリスクだと思っています。

まず、参考資料として2017年頃に掲載されたと思われる、某一口馬主クラブのインタビュー内容を御覧下さい。
https://www.tokyo-tc.com/trainers_voice/pdf/trainers_voice_vol_12.pdf

注目して欲しいのは中程の少し上にある「厩舎としてのポリシーや約束事をお聞かせ下さい」と言うところです。

判断や決断に迷った時「とにかく馬をよく見ろ」と。

これだけなら確かに模範的な回答です。
何も捻くれてこんな文章を書いている訳じゃありませんよ。

では、その判断や決断に何故迷うのか。
獣医学部を卒業した大竹正博調教師と非常に密接な関係を持ちながら、馬の管理で判断や決断に迷うとするとなると、やはり「とにかく馬を良く見る」だけでは解決できない事にもなってきます。

馬との接し方、疲労度、得意不得意、メンタル面・・・
これと言った木村哲也厩舎ならではの基準、ナレッジがまだ出来ていないからでしょう。
アイルランドでも競馬を学んできた経験があるんでしょうし、競馬を観る視野の広さは美浦でも群を抜いていると思うんですが、決定的に違うのは

 じゃあ、栗東はどうなんだろう。
 どんな事をやっているんだろう。

このアンテナの張り方と経験値・知識が、ロジユニヴァースの遠征時に帯同していた大竹正博調教師とはやはり差があります。

競馬をすれば、勝つのはたった1頭。
負けてしまう馬が殆どの世界です。
その中で、少しでも有利に戦うためには、馬を見るのも大事ですが「どんな情報を得ているのか」がカギを握っています。

便の状態、歩様に気配、尻尾やタテガミの毛先の艶・・・
パドックでも窺い知る事ができるものを、どう活かしているのか正直気になりますよ。

先程のPDF資料には、GIに使った後の状態についても

大レースに使った後は成績が低迷しがち。
肩に力が入って調教をやりすぎていないか、知らず知らずのうちに馬にプレッシャーを掛けていないか・・・

とあるんですよ。
コレ、一体どうやって測っているんでしょうね。
調教をやりすぎているかどうかは血液採れば結構分かるでしょうし、食べているもの・量の減り方でも敏感に感じ取れると思うんですよ。
プレッシャーを感じているとすれば、どのように取り払うのかとかも、今後誰から学んで伸ばしていくのかが気になるところ。

現時点ではPOG期間内にどうにかするためのノウハウ・人材・ブレーン不足なのではないかと疑いたくなっても、致し方ありません。



④騎手起用が戸崎圭太騎手・C.ルメール騎手の2択で、来日している一流の外国人騎手を確保できるかどうかが不透明
ここも今後変わっていくでしょうけど、戸崎圭太騎手もC.ルメール騎手も確保できなくなった場合、ポイントは他の厩舎が管理している馬に行くのですから、これもリスクヘッジがまだ上手く出来ていない点です。

C.ルメール騎手に関しては今後も藤沢和雄厩舎は勿論、矢作芳人厩舎からも争奪戦がより一層激しくなると思います。
戸崎圭太騎手を安定して確保できなくなったとしたら、やはり厳しくなってきます。

そして、2017年の朝日杯FSではクリスチャン・デムーロ騎手を確保する事で、なんとかステルヴィオは2着を確保できたのですが、こちらもクラブ馬(特にサンデーレーシング)で無ければ叶わない可能性が高くなってきます。

ここ一番の勝負どころで自動的に着順が悪くなる事から、どうやって逃れていく事ができるのか。
それが出来たとしても①②③の部分で、馬の仕上がりには疑問をつけざるを得ない状況がもうしばらく続くと考えたくなります。



そうは言いましても、毎年のように素質馬が入厩してくるだけに、期待は掛けられているのは事実。
POGの雑誌に対するインタビューでも、リップサービスだけはしっかり行っていますので、「具体的なコメントを出してきている」かどうかを判断材料に使っていく必要があります。

例えばですが
血統に関する話
配合に関する話
馬体に関する話(骨格、筋肉量など)
母馬の実績に関する話
生まれた頃は小さかったですが、今では大きくなってきました
距離適性に関する話

本に書いてある活字なら、こんなの疑って掛かれと言う事です。

血統や配合はデータベース見れば一発。
馬体に問題があれば競走馬登録なんて出来ないし、骨格や筋肉量でどうにかなるのはダートの未勝利戦ですよ
母馬だって波があるし、生まれてきた時はみんな小さいんですよ。

これが大きくなったのならば、馬体重が兄のステルヴィオを超えてとか、
体高がプリモシーンの同じ頃を超えたとか
そう言うのが記載されていない時点で、字面から「強さを感じさせない」んですよ。

馬体から見てこの馬はこれくらいの距離が合っていそうって言うのも、ドラフト対策で記事にしたいと思うんですが・・・その壁をどうにかするのが調教師の仕事では無いんでしょうかねって、思ってしまいます。



今年は指名馬が1頭居るのですが、同じフランケル産駒のソウルスターリングと共通点があるとすれば、母がフランスの重賞を勝っている(オークスは3着)って事ぐらい。
もしも絶対能力の違いがあれば、中山のフェアリーステークスやフラワーカップあたりでポイントを稼いでくれるんじゃないかと、ひそかに期待しています。

仮にもサンデーレーシングなので(ミスエルテの前例はあるにしても)、鞍上確保に冠しては若干でもアドバンテージはあるのが、せめてもの救い。
でも、絶対能力が無ければPOG指名としてはジ・エンドですね。
アルビアーノでノーザンダンサー系の育成に、何かヒントやノウハウがあれば・・・とは思ったんですが、それは今になってみると飛んだ見当違いだったのかも知れません。

みなさん、こんにちは
多幸@キシュランガイドです。

こちらのページではPOG期間中の考察を行います。
今回は スタートダッシュについて です。

※POGに参加する一個人の見解が記載されております。
一部未確定・未確認の事項もございますことを、あらかじめご承知おきください。

さて、POGで他のメンバーよりポイントを上回るとなると、
最終的には「より賞金額の高いGIを勝つ」のが決定打になります。

ですが、仲間内でPOGをやっていると、数年に一度はこんな現象が起きます。

ダービー馬を誰も指名して居ませんでした
皐月賞馬も誰も指名して居ませんでした


こうなるとGⅡをどれだけ制していたのかとか、細かいポイント争いになってきます。
最後の最後まで僅差の接戦で面白くなり、勝負の行方を左右するいろんな展開も予想出来るワケですが、そう言う時にモノを言うのが実は

 2歳戦の貯金

だったりします。
現在の2歳戦はホープフルSがGIに昇格しており、賞金総額自体は圧倒的に牡馬有利となっていますが、牝馬でしっかり稼いでおくことが実は大切なポイントになんですね。

今回は明け3歳になってからの事は一旦置いといて、2歳戦で如何にポイントを稼ぐのが。
この部分について調教師データを分析してみます。

・一旦おさらい
2歳戦の重賞ですが、1着賞金が高いレースを振り返ってみます。

(GI)
7000万円
  • ホープフルステークス
  • 朝日杯フューチャリティーステークス

6500万円
  • 阪神ジュベナイルフィリーズ(牝馬限定)

(GⅡ)
3800万円
  • デイリー杯2歳ステークス
  • 京王杯2歳ステークス

(GⅢ)
3300万円
  • 東京スポーツ杯2歳ステークス
  • ラジオNIKKEI杯京都2歳ステークス
  • サウジアラビアロイヤルカップ

3100万円
  • 函館2歳ステークス
  • 新潟2歳ステークス
  • 小倉2歳ステークス
  • 札幌2歳ステークス

2900万円
  • ファンタジーステークス(牝馬限定)
  • アルテミスステークス(牝馬限定)

確かに重賞を勝ってくれれば、それだけで新馬戦4頭分以上のポイントを稼ぎ出してくれるのですから、有効に使わない手はありません。
また、2歳のうちにある程度結果を出しておけば、焦らず育成を進めて3歳戦に備える事も可能です。

各々の戦略にとっても、やはり2歳戦で今後の展望を明るくしておく事は必要でしょう。
これから各データによって、2歳戦をしっかりと分析します。
※データは2013-2017年の5年間で集計しています。



①前半(6~9月)の新馬戦
これはまさにスタートダッシュとなるのですが、新馬戦で偶然強い馬と遭遇してしまい、僅差で惜敗するケースもあります。
結果2着となって次走で勝ち上がっても、ポイント上では同じになるケースも多々ありますので、まずは連対率順にみてみましょう。

2歳シーズン前半の新馬戦は、明らかに西高東低です。
特に最近目覚しい活躍をしている厩舎が、スタートダッシュを決めに行くケースが多いですね。
レース一覧・クラス:新馬

レース一覧・クラス:新馬  調教師別集計

調教師 着別度数 勝率連対率複勝率
(栗)角居勝彦 4- 8- 3-10/2516.0%48.0%60.0%
(栗)池江泰寿17- 5- 6-19/4736.2%46.8%59.6%
(栗)庄野靖志 9- 3- 1-13/2634.6%46.2%50.0%
(栗)藤岡健一 4- 6- 3- 9/2218.2%45.5%59.1%
(栗)中内田充 6- 5- 5- 9/2524.0%44.0%64.0%
(栗)藤原英昭 5- 6- 6-10/2718.5%40.7%63.0%
(栗)昆貢 4- 7- 1-15/2714.8%40.7%44.4%
(美)堀宣行 4- 2- 2- 7/1526.7%40.0%53.3%
(栗)角田晃一 7- 5- 2-18/3221.9%37.5%43.8%
(美)萩原清 4- 5- 1-14/2416.7%37.5%41.7%
集計期間:2013. 6. 1 ~ 2017. 9.30
ソート:連対率順

ちなみに、勝率順で並べた場合も掲載します。

現役では池江泰寿厩舎が強いんですが・・・栗東の庄野靖志厩舎は9勝ながら1/3を超える勝率を稼ぎ出しています。
近年はスワーヴリチャードで共同通信杯を制し、日本ダービー2着など芝重賞でも結果を出すようになってきました。
2歳GIを狙いに行くよりは、オープン特別を勝ったり重賞でポイントを稼ぐ傾向は強いですが、過去にはニシケンモノノフで兵庫ジュニアグランプリを制するなど、手堅いレース選択が見受けられます。

レース一覧・クラス:新馬

レース一覧・クラス:新馬  調教師別集計

調教師 着別度数 勝率
(栗)池江泰寿17- 5- 6-19/4736.2%
(栗)庄野靖志 9- 3- 1-13/2634.6%
(栗)松田博資 5- 1- 1-10/1729.4%
(美)藤沢和雄11- 3- 5-20/3928.2%
(美)堀宣行 4- 2- 2- 7/1526.7%
(栗)矢作芳人13- 5-10-24/5225.0%
(栗)松永幹夫10- 2- 5-23/4025.0%
(栗)杉山晴紀 1- 0- 1- 2/ 425.0%
(栗)中内田充 6- 5- 5- 9/2524.0%
(美)鹿戸雄一10- 2- 3-27/4223.8%
(栗)今野貞一 5- 2- 2-12/2123.8%
集計期間:2013. 6. 1 ~ 2017. 9.30
ソート:勝率順・比較のため抹消調教師データのうち、松田博資師のみ掲載。


②前半(6~9月)の未勝利戦
新馬戦を叩いた事でようやく闘争本能に火が付く競走馬も多いですし、たまたま相手が悪かったと言える伝説の新馬戦も含めると、未勝利戦の成績も非常に大事になってきます。
レース一覧・クラス:未勝利

レース一覧・クラス:未勝利  調教師別集計

調教師 着別度数 勝率連対率複勝率
(栗)角居勝彦 3- 1- 2- 1/ 742.9%57.1%85.7%
(栗)斉藤崇史 2- 0- 0- 3/ 540.0%40.0%40.0%
(美)戸田博文 3- 1- 1- 3/ 837.5%50.0%62.5%
(栗)高橋義忠 5- 0- 2- 7/ 1435.7%35.7%50.0%
(栗)友道康夫 4- 2- 4- 2/ 1233.3%50.0%83.3%
(栗)長浜博之 1- 0- 0- 2/ 333.3%33.3%33.3%
(美)藤沢和雄 7- 6- 3- 8/ 2429.2%54.2%66.7%
(美)木村哲也 2- 2- 0- 3/ 728.6%57.1%57.1%
(栗)藤原英昭 2- 2- 0- 3/ 728.6%57.1%57.1%
(栗)吉村圭司 2- 1- 0- 4/ 728.6%42.9%42.9%
(栗)笹田和秀 2- 0- 0- 5/ 728.6%28.6%28.6%
集計期間:2013. 6.15 ~ 2017. 9.30
ソート:勝率順・比較のため抹消調教師のうち長浜博之師のみ掲載


素質馬をすぐに軌道に戻す意味合いもあるかと思いますが、勝率では角居勝彦厩舎がリード。
実績自体では5年間で
9勝
(栗)山内研二
(栗)宮本博

8勝
(栗)清水久詞 
(美)斎藤誠
7勝 
(栗)加用正
(美)藤沢和雄 
(栗)浅見秀一 
(美)伊藤圭三 
(美)武井亮   
と言う成績は残していますが、やはり勝率で届いていない厩舎が多いですね。
結果としてこれが、指名馬のポイント差を埋められないと言うことにも、最後の最後まで響いてきているように感じられます。


③前半の(6~9月)OP特別・重賞
OP特別はどちらも1着賞金が1600万円ではありますが、九州産馬限定のひまわり賞のみ1400万円に設定されています。
レースによってはどうしても、勝っても次に繋がらないレースも存在します。
しかし、こればかりは仕方ありませんね。

ただ、2歳のうちから才能の片鱗を見せてくれる場合もあります。
中央4場(この期間では阪神・中山)で行われる芝1600m以上のオープン特別で、勝つか0秒1差程度の惜敗なら、その後の展望もどうやら開けてきそうです。
レース一覧・クラス:OPEN特別

レース一覧・クラス:OPEN特別  調教師別集計

調教師 着別度数 賞金合計1走当賞金
(栗)橋口弘次 4- 0- 2- 1/ 76750万円964万円
(美)菅原泰夫 3- 0- 0- 2/ 54840万円968万円
(栗)森秀行 1- 1- 3- 7/123680万円306万円
(美)藤沢和雄 1- 3- 0- 0/ 43480万円870万円
(栗)西村真幸 2- 0- 0- 2/ 43200万円800万円
(栗)安田隆行 2- 0- 0- 1/ 33200万円1066万円
(栗)坂口正則 2- 0- 0- 0/ 23200万円1600万円
(栗)庄野靖志 1- 2- 1- 1/ 53080万円616万円
(栗)川村禎彦 1- 0- 1-11/132980万円229万円
(美)木村哲也 1- 2- 0- 0/ 32880万円960万円
(美)蛯名利弘 1- 2- 0- 4/ 72810万円401万円
(栗)音無秀孝 1- 1- 1- 2/ 52800万円560万円
集計期間:2013. 7.21 ~ 2017. 9.30
ソート:賞金合計順

近5年ではこの期間に重賞勝ちをして、その後GIも勝っているのは全て牝馬
牡馬でのGⅢ勝ちは、3歳以降もポイントをドンドン積み増したい場合には、あまり歓迎すべきではないのかもしれません。
(重賞やGIで2~3着などに入り、ポイントをジワジワ加算する事はあります)
レース一覧・クラス:G3

レース一覧・クラス:G3  調教師別集計

調教師 着別度数 賞金合計1走当賞金
(栗)須貝尚介 2- 0- 1- 4/ 76780万円968万円
(栗)中内田充 2- 0- 0- 0/ 26200万円3100万円
(美)小島茂之 2- 0- 0- 1/ 36000万円2000万円
(栗)音無秀孝 1- 0- 1- 2/ 44160万円1040万円
(栗)橋口弘次 1- 0- 1- 1/ 33750万円1250万円
(栗)清水久詞 1- 0- 0- 5/ 63570万円595万円
(栗)中竹和也 1- 0- 0- 3/ 43450万円862万円
(栗)矢作芳人 1- 0- 0- 5/ 63400万円566万円
(栗)松田博資 1- 0- 0- 2/ 33300万円1100万円
[地]河津裕昭 1- 0- 0- 0/ 13100万円3100万円
(美)二ノ宮敬 1- 0- 0- 0/ 13100万円3100万円
(栗)本田優 1- 0- 0- 3/ 43100万円775万円
集計期間:2013. 7.21 ~ 2017. 9. 3
ソート:賞金合計順

既に勇退された調教師も数多く名を連ねておりますが、主だったところですと近年のダービーやオークスなどGIを制している厩舎の名前がありません。
やはりいつかは逆転されてしまう運命ではあるのですが、スタートダッシュとしてはローカル開催の2歳重賞を、牝馬で取れる厩舎が一つの目安になってきます。

現役では、須貝尚介厩舎(レッドリヴェール)と本田優厩舎(レーヌミノル)のみ。
両師ともJRAの騎手経験がありました。
勇退した松田博資師(ハープスターを管理)も騎手経験がありましたので、
早期デビュー組では栗東の騎手経験調教師×牝馬が、今後も作戦になってくるかもしれませんね。



④後半(10~12月)の新馬戦
俗に言う「年内始動」ってやつです。
データを出すといろんな傾向が出てきますが、ここで今年の2歳世代を、厩舎経営上の「軌道に乗せる」感が強いです。
厩舎経営上のと書いたところがミソ・キモなのですよ。

本当に強い馬はここで始動しているかどうか・・・、そこのあなた。
一度調べてみると良いですよ。
レース一覧・クラス:新馬

レース一覧・クラス:新馬  調教師別集計

調教師 着別度数 勝率連対率複勝率
(美)堀宣行15- 7- 5-11/3839.5%57.9%71.1%
(栗)友道康夫13- 5- 3-18/3933.3%46.2%53.8%
(栗)角居勝彦14- 8- 2-21/4531.1%48.9%53.3%
(栗)池江泰寿13- 8- 6-25/5225.0%40.4%51.9%
(栗)藤原英昭 9-12- 4-13/3823.7%55.3%65.8%
(栗)松田国英 9- 1- 3-25/3823.7%26.3%34.2%
(美)久保田貴 7- 4- 6-14/3122.6%35.5%54.8%
(美)尾関知人 9- 6- 2-25/4221.4%35.7%40.5%
(美)加藤征弘10- 3- 4-30/4721.3%27.7%36.2%
(美)萩原清 7- 7- 2-18/3420.6%41.2%47.1%
集計期間:2013.10. 5 ~ 2017.12.28
ソート:勝率順

勝率順では東西のリーディング上位の厩舎が来ています。
勝てるレースをしっかり勝たせることに関しては、美浦の堀宣行厩舎が5年分の集計ではダントツ。
もはや右に出るものは居ません。

でも、堀宣行厩舎のデータをまとめた時にも言っていますが、
期間中にGIを勝ったのは1頭だけ。
そう言った常に有力馬を集めている厩舎が、デビューする2歳馬を「経営を軌道に乗せるため」に、
この時期の新馬戦はちゃんと勝ちに行くと言うのが正しい捉え方でしょう。

良くインターネットの掲示板などで「年内始動でよかった」とか、「年内に勝ち上がっておけば」と言うコメント。
その後の成績を数字で出すと、実は結構悲惨なものなんですよ。

なので2歳戦でリードをするなら、この時期のデビューはかなりリスキーで、オッズの高い馬券に運命をゆだねるのと同じ事なんです。

『無理せず来年デビューで』
『焦らず行こうよ、まだまだ間に合う』
『日本ダービーだけが目標じゃない』

こんなコメントは一口馬主ならではの視点でしょう。
2歳戦が一番のハイライトになる指名馬でなければ、如何に冷静で正しい事を物語っているか。
それはこの時期の勝ち上がりが、GI馬を量産していない事にも繋がってきます。


⑤後半(10~12月)の未勝利戦
同じく勝ちあがりと言う点では、未勝利脱出と言うのも「経営を軌道に乗せるため」の側面が強いです。
勝利数上位を見ると、近年のPOGで結果を出している厩舎がやはり名を連ねてきていますが、本当の大将格・エース格はここで勝ちあがっているケースは殆どありません。

むしろ、ここからどうにか重賞を勝ったりするケースもありますが、
それでお茶を濁している厩舎・馬主なのかどうか。
ここを見極めて「○○厩舎に入厩するなら」を考えなくてはなりません。
レース一覧・クラス:未勝利

レース一覧・クラス:未勝利  調教師別集計

調教師 着別度数 勝率連対率複勝率
(栗)安田隆行 16- 9- 12- 56/ 9317.2%26.9%39.8%
(美)木村哲也 16- 4- 3- 34/ 5728.1%35.1%40.4%
(美)国枝栄 14- 5- 8- 44/ 7119.7%26.8%38.0%
(栗)友道康夫 14- 5- 3- 20/ 4233.3%45.2%52.4%
(栗)須貝尚介 13- 14- 13- 54/ 9413.8%28.7%42.6%
(栗)本田優 13- 14- 11- 81/11910.9%22.7%31.9%
(栗)高野友和 13- 6- 8- 60/ 8714.9%21.8%31.0%
(美)手塚貴久 13- 5- 8- 61/ 8714.9%20.7%29.9%
(栗)矢作芳人 12- 13- 7- 78/11010.9%22.7%29.1%
(美)斎藤誠 12- 10- 4- 45/ 7116.9%31.0%36.6%
(栗)浅見秀一 12- 8- 12- 93/1259.6%16.0%25.6%
(栗)中竹和也 12- 7- 6- 86/11110.8%17.1%22.5%
(美)藤沢和雄 12- 5- 4- 18/ 3930.8%43.6%53.8%
(栗)藤原英昭 12- 4- 2- 22/ 4030.0%40.0%45.0%
集計期間:2013.10. 5 ~ 2017.12.28
ソート:着別度数順

ちなみに未勝利戦の単純な勝率だけで言えば、こちらも美浦の堀宣行厩舎がダントツ。
POG期間に間に合うかどうか・・・それを全く度外視した勝ち上がりも結構な割合でありますので、驚異的な勝ち上がり率を残す=POG向きかどうかはよく考える必要があります。

むしろ、この数字だけを、強力に推してくる意見もあると思います。
もしそれだけで勝てるなら、その論者は指名馬を一度「全部堀宣行厩舎だけ」として欲しいです。

売り物の商業誌で、サラリーマンが無責任なネタとしてはやるでしょうけど、勝ちたいなら絶対そんな事はしないはずです

1年間戦って1勝しか上げられなかった馬ばかりの結果がどうなるかなんて、シーズンが始まる前から分かってなきゃおかしいレベル。
もしそれが分からないとすれば・・・

  • 競馬やPOGを知らない初心者だったのか
  • 全くデータがなかったのか
  • もはや付ける薬が無いほどのおバカさんだったのか

・・・のいずれかだと思いますよ。
レース一覧・クラス:未勝利

レース一覧・クラス:未勝利  調教師別集計

調教師 着別度数 勝率
(美)堀宣行 11- 2- 1- 15/ 2937.9%
(栗)友道康夫 14- 5- 3- 20/ 4233.3%
(美)藤沢和雄 12- 5- 4- 18/ 3930.8%
(栗)藤原英昭 12- 4- 2- 22/ 4030.0%
(美)木村哲也 16- 4- 3- 34/ 5728.1%
(美)清水美波 2- 1- 0- 5/ 825.0%
(栗)池添学 11- 8- 1- 27/ 4723.4%
(美)戸田博文 10- 4- 8- 27/ 4920.4%
(栗)角居勝彦 10- 10- 7- 23/ 5020.0%
(美)松山康久 2- 0- 0- 8/ 1020.0%
(栗)佐山優 1- 1- 1- 2/ 520.0%
(美)国枝栄 14- 5- 8- 44/ 7119.7%
(栗)白井寿昭 3- 1- 1- 11/ 1618.8%
(美)大久保洋 3- 1- 0- 12/ 1618.8%
(栗)笹田和秀 4- 1- 1- 16/ 2218.2%
(美)鹿戸雄一 11- 3- 4- 43/ 6118.0%
集計期間:2013.10. 5 ~ 2017.12.28
ソート:勝率順



⑥後半(10~12月)のOP特別・重賞
OP特別が重賞になったケースが多く、今後は1800m以上の距離でこそ注目が必要。
例えばアイビーステークスや萩ステークスで、
・牝馬なのに牡馬との混合戦で勝利(しかも0秒2差以上の完勝)
・牡馬で相手に0秒4以上の完勝
相手のレベルも重要ですが、まずは最低限必須になってくるでしょうか。
レース一覧・クラス:重賞

レース一覧・クラス:重賞  調教師別集計

調教師 着別度数 勝率連対率複勝率
(美)藤沢和雄 4- 2- 2- 5/1330.8%46.2%61.5%
(栗)矢作芳人 3- 2- 1-15/2114.3%23.8%28.6%
(栗)中内田充 3- 0- 0- 3/ 650.0%50.0%50.0%
(栗)池江泰寿 2- 3- 2- 5/1216.7%41.7%58.3%
(美)手塚貴久 2- 3- 2- 2/ 922.2%55.6%77.8%
(栗)須貝尚介 2- 1- 3- 6/1216.7%25.0%50.0%
(栗)松田国英 2- 1- 1- 4/ 825.0%37.5%50.0%
(栗)安田隆行 2- 1- 0- 6/ 922.2%33.3%33.3%
(栗)友道康夫 2- 0- 2- 3/ 728.6%28.6%57.1%
(栗)松永幹夫 2- 0- 0- 5/ 728.6%28.6%28.6%
(美)本間忍 2- 0- 0- 0/ 2100.0%100.0%100.0%
集計期間:2013.10. 5 ~ 2017.12.28
ソート:着別度数順

重賞実績では藤沢和雄厩舎がリードしていますが、前走が0秒2差以上の1着でないと苦しい・・・と言う傾向は変わりません。
その傾向でも結果を出したのが2016年の年末でした。
数字自体は評価できても、実際にそれに似合うだけの勝ちっぷりが出来るかどうかが、勝負の分かれ目になります。
デビュー前にそう言ったことを予測するのは困難ですが、コメントや動画などから推測し、実力が他とアタマ一つ抜けていると言う存在を探し出すのも楽しみの一つですね。

レース一覧・クラス:重賞

レース一覧・クラス:重賞  調教師別集計

調教師 着別度数 賞金合計1走当賞金
(美)藤沢和雄 4- 2- 2- 5/1330300万円2330万円
(美)手塚貴久 2- 3- 2- 2/ 921000万円2333万円
(栗)池江泰寿 2- 3- 2- 5/1216380万円1365万円
(栗)須貝尚介 2- 1- 3- 6/1215480万円1290万円
(栗)矢作芳人 3- 2- 1-15/2114880万円708万円
(栗)中内田充 3- 0- 0- 3/ 614420万円2403万円
(栗)松田国英 2- 1- 1- 4/ 813100万円1637万円
(栗)安田隆行 2- 1- 0- 6/ 911540万円1282万円
(美)国枝栄 1- 2- 0- 3/ 611100万円1850万円
(美)田村康仁 1- 1- 1- 7/1010160万円1016万円
集計期間:2013.10. 5 ~ 2017.12.28
ソート:賞金合計順

他の厩舎ですと、賞金額2位の手塚貴久厩舎はパターンがはっきり。
2歳10-12月の重賞で連対するのは外国人騎手(短期免許)。
日本人騎手では3着に入るのが精一杯。

池江泰寿厩舎は、1600mのGIでは人気をことごとく裏切り続けています。
2000mで行われるホープフルステークスで中心視すべきでしょう。
1600m以下のGⅡ・GⅢではまず3着以内を確保してくれますが、関西の騎手でないとその期待にも応えてくれないのが、やや強く出ています。

矢作芳人厩舎は牡馬では結果が殆ど出ないので、2歳戦は牝馬に狙い撃ちをします。
単純に距離延長が×。
前走と同じ距離で出走するOP特別・重賞、もしくは距離短縮で出走するOP特別・重賞なら、過去5年しっかりと結果を出しています。
指名したあとは1400m以上の距離でデビューしてくれる事を祈りましょう。

中内田充正厩舎は、新馬戦が0秒7差以上つけた楽勝であると、
重賞ではキッチリ勝ってくれるのが他の厩舎には無いポイント。
もちろんGIでも、前走の重賞が0秒3以上の勝利であると、より信頼度は高まります。
現時点では典型的なピンかパータイプ。
牧場の評判が「他とモノが違う」レベルの発言は最低限欲しいですし、他を圧倒しているようなイメージを抱けない馬を指名するのは、やはり危険でしょう。



では、そろそろまとめます。

2歳戦でリードを拡げておきたいと考えるなら、このような戦略を提案します。
  • 牡馬1~2頭、牝馬1~2頭の、GI候補=大将格を用意
  • GI舞台が阪神・中山なので、なるべく関西馬を優先
  • 関西馬でも関東圏で強い厩舎・輸送でも結果を残している厩舎がより良い。(ホープフルステークス用)
  • 8月までに未勝利脱出を果たせる馬が優先、順調さを欠いて秋以降デビューなら、むしろ年明け以降デビューを見越すこと。
  • ローカル開催競馬場の2歳ステークスは、そのGⅢ勝利だけで終わってしまう場合が殆どなので、無理に狙う必要はない → あえてライバルに狙わせてしまうのもテクニック
  • 厩舎別の得意な分野(この厩舎は2歳の牡・牝に強い、実績がある)に絞る。
  • 11頭以上指名できる場合に限り、とんでもない大穴候補で2歳GIを狙いに行くのはアリ
  • 3歳の重賞やGIとはアプローチが違う事を忘れない事。仮に大将格が2歳で燃え尽きたとしても大丈夫なように指名枠を残し、2歳戦のみに全力を注ぎすぎないようにしましょう。
その指名馬は何のために獲るのか。
獲った後の成績は、2歳のうちがハイライトだったのか、3歳になってからが良かったのか。
コミュニケーションも兼ねた仲間内のPOGは、ここを分析する人が非常に少ないのです。

しかし、ここを突破すればPOGに勝つと言う道が開けるだけでなく、
負けから分析して馬券に役立つと言う、副産物までも手に出来る事でしょう。

負けに不思議の負けは、無し
POGは如何に、ロマンや感情に流されずに指名するか。
これが必勝の大前提です。

※2018-2019はかなりロマンに流されまくった著者が何言ってんだか・・・って思ったあなたは、来年更なる飛躍を遂げるはずですよ!

みなさん、こんにちは
多幸@キシュランガイドです。

こちらのページでは厩舎別の考察を行います。
今回は 堀宣行厩舎 です。

※POGに参加する一個人の見解が記載されております。
一部未確定・未確認の事項もございますことを、あらかじめご承知おきください。

私たちの仲間内POGでは、1時間に一回ぐらい
堀厩舎の漏れ聞こえてくる噂話が出てきます。

 良いお話も、陰謀論のようなお話も(笑)

押し並べて評価は高い厩舎なんですが、皆さん薄々気付き始めてる事があるんです。
素質のある馬を預かってくれて、故障率もかなり少なめ。
しかも主戦として外国人ジョッキーもしくは戸崎圭太騎手や福永祐一騎手を起用してくれる可能性もある。
と思ったらバシシューで撃沈した諸兄は数知れず ←ここ余計

でも、なんだか食指が動かない

薄々気付いている理由を、データを用いて表に出す。
そして明確な意図を持って堀宣行厩舎の入厩する2歳馬を指名する。
今後はそう言った方針を貫くしかないでしょう。

では、まずは近5年の成績を出してみます。
レース検索

レース検索  年・年月別集計

年・年月 着別度数 勝率連対率複勝率
2017年13- 9- 7-35/6420.3%34.4%45.3%
2016年18- 5- 6-26/5532.7%41.8%52.7%
2015年21-13- 2-34/7030.0%48.6%51.4%
2014年16- 5- 5-31/5728.1%36.8%45.6%
2013年12-11- 5-33/6119.7%37.7%45.9%
集計期間:2003. 3.23 ~ 2018. 6.10

POG期間に活躍している年もあります。
波が大きく、勝率が3割を超えるときもあれば2割ソコソコの時も。
つまり勝負を仕掛ける時とそうでない時はどうしても存在します。

毎年のようにネームバリューに翻弄されて、やたらめったら指名する必要はないって事ですね。
続いて、堀宣行厩舎の生産者別成績を上位のみ抜粋して観ましょう。
レース検索

レース検索  生産者別集計

生産者 着別度数 賞金合計1走当賞金
ノーザンファーム 33- 14- 7- 53/10779734万円745万円
社台ファーム 23- 13- 8- 53/ 9729800万円307万円
社台コーポレーション白老ファーム 8- 9- 2- 27/ 468284万円180万円
Fox Straus KY 3- 3- 0- 0/ 65740万円956万円
追分ファーム 5- 1- 3- 7/ 163825万円239万円
集計期間:2003. 3.23 ~ 2018. 6.10
ソート:賞金合計順

当然と言えば当然ですが、ノーザンファーム強し。
ただ、社台ファームも条件次第では指名候補に追加できます。

また、マル外の好走歴もあれば、他の生産者の競走馬でもGIを獲っているのも忘れてはいけません。
POG期間では上位2牧場+海外生産馬をメインに考えて観ましょうか。

・ノーザンファーム
一言でまとめると、牡馬のみチョイスしておけば良いんじゃないかってぐらい、牡馬偏重傾向があります。
そして、父がサンデーサイレンス系以外で、有力馬主肝いりの2歳馬である事。
これが狙い目。

主な例はドゥラメンテ'(父キングカメハメハ、春2冠)、サトノクラウン(父Marju、日本ダービー3着)ですね。

ディープインパクト産駒の場合、超ロングヒットを期待するのは厳しい現状ですが、
マウントロブソン(スプリングS)のように重賞を勝つなどコツコツ活躍して、賞金を稼ぐ戦略が合いそうです。
母父はノーザンダンサー系が全くない方が期待値も上がりますが、いずれにしてもナスルーラ系(ボールドルーラー系も含む)の血が色濃く出ているのが理想的です。

レース一覧・生産者:ノーザンファーム

レース一覧・生産者:ノーザンファーム  種牡馬別集計

種牡馬 着別度数 賞金合計1走当賞金平均着平人気
キングカメハメハ 5- 2- 2- 6/1534035万円2269万円4.2着2.4人気
ディープインパクト15- 9- 2-19/4523215万円515万円4.1着3.0人気
Marju 3- 0- 1- 1/ 514100万円2820万円2.4着2.4人気
ヘニーヒューズ 2- 2- 0- 1/ 51775万円355万円2.0着1.0人気
ネオユニヴァース 2- 1- 0- 1/ 41680万円420万円4.3着2.0人気
ハーツクライ 1- 0- 0- 5/ 61240万円206万円5.3着5.3人気
クロフネ 1- 0- 0- 3/ 4950万円237万円6.5着6.8人気
アドマイヤドン 1- 0- 1- 5/ 7812万円116万円6.0着5.0人気
キンシャサノキセキ 1- 0- 1- 4/ 6802万円133万円6.0着2.0人気
ジャングルポケット 1- 0- 0- 0/ 1500万円500万円1.0着2.0人気
ステイゴールド 1- 0- 0- 0/ 1500万円500万円1.0着1.0人気
集計期間:2013. 3. 3 ~ 2018. 5.26
ソート:賞金合計順


・社台ファーム
こちらは牝馬に偏重傾向が見られるほど、牝馬の活躍が多いです。
ただ、重賞を勝つよりは2着などでコツコツ活躍して、賞金を稼ぐ戦略が合いそうです。

コツコツ稼いでくれるタイプはシンプルに、父がサンデーサイレンス系の種牡馬(現在で言えばディープインパクト)であること。
そして母系の血にミスタープロスペクター系が必須。
こう言うことになりそうです。

近5年間の牝馬の勝ち上がり率は 11/12 で91.1%。その後伸び悩むケースも多々あるとは言え、なかなかエグい数字ですなぁ。
レース一覧・生産者:社台ファーム

レース一覧・生産者:社台ファーム  馬別集計

着別度数 賞金合計1走当賞金平均着平人気
エバーブロッサム  1- 3- 0- 0/ 47800万円1950万円1.8着5.5人気
オメガハートロック 2- 0- 0- 0/ 24100万円2050万円1.0着1.0人気
オハナ       2- 0- 0- 3/ 52230万円446万円7.4着5.6人気
ハナレイムーン   1- 0- 0- 3/ 41510万円377万円3.8着2.5人気
オメガインベガス  2- 0- 0- 0/ 21200万円600万円1.0着1.5人気
集計期間:2013. 1.12 ~ 2018. 6.10
限定条件:牝馬のみ
ソート:賞金合計順


・海外生産馬
基本的には猪熊広次氏(バローズ)のアメリカ生産馬
吉田和美氏のオーストラリア・ニュージーランド生産馬
この2パターンで当面は良さそう。

もちろん、個人的な信条で他の馬主さんが所有するマル外を指名は大いに結構です。
当たれば確かにデカいですよね。


さて、ここから話をガラッと変えます。
何故堀宣行厩舎に対して、なんとなく食指が動かないのか。
この部分です。

単刀直入に言うと、二つの実績が相反するイメージを植えつけているので、
食指が動かなくなってしまうと言う事なんですよ。

これはどう言う事かと申し上げますと、POG期間の成績が良さそうなイメージが、どうしても拭いきれていないのが原因なんです。
事実、期間中にGIを勝ったのはドゥラメンテだけなんですもの。

ただ、GIをキンサシャノキセキなどで勝っている間に、他の調教師では出来なかった実績を持っているので、POGで活躍できそうなイメージがどうしても植えつけられてしまっているのです。

それは何か。
2012年までの成績を遡ると出てくるのですが、

シンボリクリスエス産駒で稼いだ

のがデカいんです。
ノウハウがあるのは勿論ですが、他の調教師が上手く行かなかったことを平気でやってのけた。
唯我独尊みたいなあの雰囲気は、自信の表れでもあるんでしょうね。

まずはこちらのデータを見てもらいましょうか。
レース検索

レース検索  調教師別集計

調教師 着別度数 賞金合計1走当賞金平均着平人気
(美)藤沢和雄 19- 15- 11- 77/12219535万円160万円5.8着3.8人気
(美)手塚貴久 8- 5- 3- 28/ 4418120万円411万円6.7着5.9人気
(美)堀宣行 8- 2- 4- 12/ 2615840万円609万円5.4着3.9人気
(栗)角居勝彦 11- 13- 10- 22/ 5615120万円270万円4.1着3.2人気
(栗)池江泰郎 8- 4- 6- 25/ 4313795万円320万円6.1着5.5人気
集計期間:2007. 6.24 ~ 2018. 6.10
ソート:賞金合計順   レース機会数 : 20 回以上

こちらは、シンボリクリスエス産駒の成績を2007年から2012年に限定し、2~3歳のみに絞って抽出したものです。
賞金総額は管理していた藤沢和雄調教師がトップ。
そりゃ、同じような癖とか修正点があれば、上手く対応も出来るでしょう。

ただ堀宣行厩舎は、当時まだ40代半ばのセンセイをはじめとして若手の集団でもあったんですから、他の調教師や馬主さん、それから一般の競馬ファンから見ても

かなり目立つ活躍

だった事は言うまでもありません。特に次のデータでも示す「1走当たりの賞金額」は他の厩舎を突き放す成績、いわゆる断然トップ=ダントツのものでした。
レース検索

レース検索  調教師別集計

調教師 着別度数 賞金合計1走当賞金平均着平人気
(美)堀宣行 8- 2- 4- 12/ 2615840万円609万円5.4着3.9人気
(美)手塚貴久 8- 5- 3- 28/ 4418120万円411万円6.7着5.9人気
(美)大久保洋 4- 1- 8- 20/ 3311915万円361万円7.5着5.4人気
(栗)藤原英昭 7- 7- 1- 18/ 3311845万円358万円6.0着4.6人気
(栗)池江泰郎 8- 4- 6- 25/ 4313795万円320万円6.1着5.5人気
集計期間:2007. 6.24 ~ 2018. 6.10
ソート:1走当賞金順   レース機会数 : 20 回以上

500万クラス以上のレースに絞っても、賞金は2位。
唯一後塵?を配したのは美浦の手塚貴久厩舎でしたけど、これは朝日杯FSを勝ったアルフレードって言う飛び道具が効いているワケで、堀厩舎は平均的に実績を積み上げたんですよね。

OP特別頃のだったホープフルステークスで2009年にはアリゼオ(翌年スプリングSを制覇)、
2012年にもサトノネプチューンで勝利。
当時からオーストラリアや香港でトップクラスだったC.ウィリアムズ騎手、R.ムーア騎手を起用するなど、他の厩舎よりアドバンテージが大きくPOGでも結果を残せそうな厩舎というイメージを植えつけるには十分だったんですよね。

レース検索

レース検索  調教師別集計

調教師 着別度数 賞金合計1走当賞金平均着平人気
(美)手塚貴久 4- 2- 0- 5/1114670万円1333万円4.4着3.5人気
(美)堀宣行 4- 1- 3- 4/1213020万円1085万円3.6着2.8人気
(美)大久保洋 2- 0- 3- 3/ 89640万円1205万円5.8着3.8人気
(栗)池江泰郎 3- 0- 2- 3/ 89550万円1193万円4.3着2.9人気
(栗)藤原英昭 3- 1- 1- 6/117790万円708万円7.2着6.5人気
集計期間:2007. 6.24 ~ 2018. 6.10
限定条件:[簡易絞り込み:500万下以上 のみ]
ソート:賞金合計順   レース機会数 : 5 回以上

加えて以前は吉田和美氏の競走馬が相次いで活躍。
預けた馬がGIを勝つことを何度も目の当たりにしていると、それがいつ勝ったものなのか・・・記憶があいまいになります。

すべてPOG期間を過ぎてからの活躍です。
以前は取材に応じてくれた時期もありますが、日本ダービーまでの成績だけをクローズアップするPOGに協力的ではないのも、むしろ自然な事です。
「ウチの馬は4歳になってからが本格化」と言いたくもなるでしょうし、指名馬検討用の情報量が減ると、指名する側の思考回路に憶測も混じりこんできます。
レース一覧・馬主(レース時):吉田和美

レース一覧・馬主(レース時):吉田和美  馬別集計

着別度数 賞金合計1走当賞金平均着平人気
$キンシャサノキセキ 7- 4- 3-10/2466930万円2788万円4.4着2.5人気
モーリス      4- 2- 0- 0/ 645700万円7616万円1.3着1.5人気
$ロックドゥカンブ  2- 0- 2- 2/ 616400万円2733万円4.0着2.0人気
ジャガーメイル   1- 4- 1-16/2238560万円1752万円6.2着6.8人気
$キャンベルジュニア 0- 3- 0- 6/ 95600万円622万円8.0着5.0人気
集計期間:2006. 2.25 ~ 2018. 6. 3
ソート:着別度数順

ここまでの話を総合すると、堀宣行厩舎のノウハウや強みは
・馬のピークにあわせた調教・育成方針が一貫して行える
・POG期間の活躍には、全くにこだわらないものである
・勝つための騎手を高確率で確保できる
・厩舎のエース格は2000m以上でも強い

と言うことになります。
最後の部分が肝心で、このイメージが強く印象に残っているため、適性距離の2400mでも強いのではないか=ダービーでも好走できるんじゃないか?って理屈が出来上がってしまいます。

本来の強みは一番上にある「馬のピークにあわせた調教・育成方針が一貫して行える」事にあるので、時期を誤認してしまい不要なまでに加熱してしまった1位競合を生み出していたのです。
そりゃ冷静になっている側からしたら

今年もいただき

ってなりますわな。
レース検索

レース検索  距離別集計

距離 着別度数 賞金合計1走当賞金平均着平人気
1000m~1300m 6- 4- 4- 25/ 3955280万円1417万円6.6着6.4人気
1400m~1600m 16- 11- 11- 87/125162350万円1298万円7.3着6.9人気
1700m~2000m 16- 14- 7-113/150148630万円990万円7.5着6.3人気
2100m~2400m 6- 4- 3- 26/ 3996710万円2479万円6.6着6.4人気
2500m~ 5- 4- 2- 27/ 3860060万円1580万円6.4着5.9人気
集計期間:2003.12. 6 ~ 2018. 6.10
限定条件:芝のみ

堀宣行厩舎が2000m以上で強い事に関しては、期間中の成績を芝のみに限定したデータを掲載しておきます。
エース級に成長した馬は、キンサシャノキセキを除いては2000m以上の重賞やGIで活躍してきた馬ばかり。
もともとの素材もありますが、中長距離で強い馬を作りあげるノウハウがあることが、良いイメージを生む土台になっていたのです。
それをシンボリクリスエス産駒でかなりの結果を出した事が、インパクトとしても絶大だったワケですね。

堀厩舎に入る2歳馬のPOGの傾向として
・牡馬は 非サンデーサイレンス系 の種牡馬産駒で、アツいケース
・牝馬は 社台ファームで生産された、サンデーサイレンス系×母父ミスタープロスペクター系
を除いては、古馬になってからの楽しみを優先するのがセオリーになってきそう。

あと少しで大きなところに進めそう、勝てそうだったのにと言うケースも、今後は主戦が あの騎手 になると見込んでいますから、快勝できる余地に変わる可能性もありますね。
ここを含めて見所があるのは大きなアドバンテージです。

みなさん、こんにちは
多幸@キシュランガイドです。

こちらのページでは厩舎別の考察を行います。
今回は 矢作芳人厩舎 です。

※POGに参加する一個人の見解が記載されております。
一部未確定・未確認の事項もございますことを、あらかじめご承知おきください。

私個人の感想ですと、厳しい人だけど馬や人を見る力はかなりのものだと思っています。
そして、義理人情に深く温かい人間味もあります。
所属している坂井瑠星騎手をオーストラリアへ武者修行させては、
一時帰国した際に良い騎乗をして、滅多には褒めない師が「少しは成長してきた」と認める場面があるなど、
甘やかせはしないけど妥協をしない姿勢が徹底していますよね
この厩舎、嫌いじゃないです。

少し前にデータを出していますが、本当に勝ち星だけで言えばナンバーワン。

(栗)矢作芳人  122-  97-  89- 764/1072
勝率  11.4%
連対率 20.4%
複勝率 28.7% 

出走回数が1000回を越える唯一の厩舎ですから、勝率はどうしても薄まってしまうんですが・・・でも、なんとか勝たせようとして使ってくれる姿勢は好まれているように思います。
仮に一口馬主で預けるにしても、馬主側から信頼を置かれる理由・・・分かる気はしませんか?

ちゃんとレースには使ってくれる

これって結構大事なんですよね。
過去5年間のデータも載せておきますが、期間中のレース数が安定して170レースをゆうに超えています。
レース検索

レース検索  年・年月別集計

年・年月 着別度数 勝率連対率複勝率
2017年 18- 16- 10-132/17610.2%19.3%25.0%
2016年 22- 22- 17-147/20810.6%21.2%29.3%
2015年 25- 26- 17-141/20912.0%24.4%32.5%
2014年 30- 12- 18-158/21813.8%19.3%27.5%
2013年 16- 22- 15-124/1779.0%21.5%29.9%
集計期間:2013. 1. 5 ~ 2018. 6.10

さて、ここからが矢作芳人厩舎の分析となるのですが、
傾向を探ると、どうやら分かりやすく傾向は出ているようにも感じます。
そこに仮説を立ててあらかじめ定置網を張り、一網打尽にするような戦略が合いそうです。

POGの戦略としては人気にもなりやすい厩舎ですが、
1位よりは2位・3位あたりで脇を固めるように、
賞金をしっかり稼いでくれそうな2歳馬を指名するのが理想的だと考えます。
これをまとめますと・・・

・ポイント荒稼ぎタイプと、コツコツ稼ぎタイプの違い
・馬主×生産牧場で狙い撃ち


矢作芳人調教師も一度日本ダービーを獲っていますし、
最近では2014年・2016年と2度の年間最多勝利厩舎を獲得していますので、
POGではダービー馬を探すよりも

「期間中に中距離ヒッターで、4000ポイントを獲りに行く」

を目標にするほうが手堅いのではないでしょうか。



では、まず
・ポイント荒稼ぎタイプと、コツコツ稼ぎタイプの違い
についてご説明します。
過去20年間(1998年以降)の期間内獲得賞金上位を15頭出してみますが・・・
レース検索

レース検索  馬別集計

着別度数 賞金合計1走当賞金平均着平人気
ディープブリランテ 3- 2- 1- 0/ 624900万円4150万円1.7着1.7人気
グランプリボス   4- 0- 1- 2/ 722910万円3272万円2.6着4.0人気
リアルスティール  2- 2- 0- 1/ 513400万円2680万円2.0着1.8人気
リスグラシュー   2- 3- 1- 1/ 711860万円1694万円2.3着2.0人気
ダイワバーバリアン 2- 2- 2- 4/1010700万円1070万円3.0着2.9人気
ステイフーリッシュ 2- 0- 1- 2/ 57900万円1580万円5.0着6.0人気
グランプリエンゼル 3- 1- 1- 3/ 85730万円716万円4.3着6.1人気
スーパーホーネット 2- 1- 1- 4/ 85500万円687万円5.1着6.6人気
キョウエイアシュラ 2- 1- 0- 7/105330万円533万円5.0着6.3人気
ラナンキュラス   2- 1- 0- 3/ 65150万円858万円4.8着2.5人気
キャンディバローズ 2- 1- 1- 2/ 64880万円813万円4.8着4.2人気
オールザゴー    3- 2- 0- 3/ 84830万円603万円3.3着4.4人気
エイムアットビップ 2- 3- 1- 3/ 94780万円531万円4.6着3.3人気
キョウエイギア   3- 1- 3- 2/ 94640万円515万円2.7着3.8人気
ヘニーハウンド   2- 0- 0- 1/ 34600万円1533万円4.7着5.0人気
集計期間:2005. 3. 5 ~ 2018. 6.10
ソート:賞金合計順

・・・となっていまして、特に上位を占めている馬にはある共通点があるんです。

 ディープブランテ   
 グランプボス     
 アルスティール    
 スグラシュー     
 ダイワバーバアン   
 ステイフーッシュ   
 グランプエンゼル   

ちょっといくらなんでも出来すぎじゃないですか?
もちろんが付いているのに、全く勝ちあがれていない馬だって結構居ます。
そこで血統面での傾向も付け加える必要があります。

父はサンデーサイレンス系(ディープインパクトやハーツクライが理想)とした場合、
以下の条件に当てはまる「」の付く馬なら、矢作厩舎での活躍がさらに見込めるようになると考えています。

①母方にはナスルーラ系(ボールドルーラー系を含む)が必須。

②母方の5代血統表に、ノーザンダンサー系の血が必須
代表例としては、Nureyev、Lyphard、Caerleonのいずれかが欲しい。

③母方にネイティヴダンサー系もしくはミスタープロスペクター系がある。
※牝馬の場合のみ、過去に父方に①②③があり、母父サンデーサイレンスでも成功例はあり。

ポイント荒稼ぎをするケースはこれから増える事は当然考えられますが、
これぐらい大胆に戦略を練らないと、余計な力を不必要に使ってしまいます。

ちなみにマル外の場合、5代血統表に①②③が父母あわせてどこかで成立してれば、
コツコツ稼ぐ事は可能。
②はNijinskyでも可になるが、Storm catだけでは物足りない感じです。
特に③は、父がネイティヴダンサー系・ミスタープロスペクター系で、未勝利をしっかり勝ちあがることが多い傾向に感じています。

→この傾向の場合、2018-2019の該当馬は

ラヴズオンリーユー

のみです。
全兄は矢作厩舎のリアルスティールと文句のつけようが無いんですが、
その後牡馬でも牝馬でもパッとした成績を残せていないのと、
なんだかセレクトセールで高額落札されるだけ・・・って気がして仕方が無いんです。
そう言う野暮な考えをそろそろ吹き飛ばされそうな予感もするんですが、仮に今年も母ラブズオンリーミーのこの馬が賞金をガシガシ稼げなかったとしても、

ここでも言えない様な情報を、信じてよかったみたいだなぁ

と思うまでです。
マル外ですとギリギリ Tashzaraの16 と、モズエロイコ が該当する程度。
今年は日本ダービーまでの期間でポイント荒稼ぎタイプが居なかったとしても、これは責める筋合いもありません。



続いてはこちら
・馬主×生産牧場で狙い撃ち
です。

主な馬主さんで言うとこのような傾向があります。
<個人>
・田中成奉氏(タイセイの冠名)
2013年以降は6/12、つまり5割の勝ち上がり率。かなり優秀な数字。
ただそのあとにポイントが伸び悩む傾向もあり。
ノーザンファーム生産の場合は、先程の①②③が全てそろっているのが理想系。
父がマンハッタンカフェでもしっかり成功している。

ポイントをコツコツ稼ぐと言うことであれば、ひょっとしたら社台ファーム生産がオススメになってくるかもしれません。
こちらは③母方にネイティヴダンサー系もしくはミスタープロスペクター系がある だけでも成功しています。ちなみに父ダイワメジャーのタイセイサミットが活躍したケースです。
レース一覧・調教師:矢作芳人/馬主(レース時):田中成奉/調教師:矢作芳人

レース一覧・調教師:矢作芳人/馬主(レース時):田中成奉/調教師:矢作芳人  生産者別集計

生産者 着別度数1走当賞金 賞金合計平均着平人気
ノーザンファーム 6- 1- 3-21/31203万円6295万円6.6着6.7人気
社台ファーム 2- 2- 1- 3/ 8467万円3740万円3.3着3.9人気
下河辺牧場 1- 0- 1- 0/ 2315万円630万円2.0着6.0人気
集計期間:2013. 8.18 ~ 2018. 2.13
ソート:着別度数順


・猪熊浩次氏(バローズの冠名)
こちらも2/4で5割の勝ち上がり率。
英字にした時の名前が「y」で終わる+バローズがポイントを1000以上稼いでいます。
該当するのが キャンディバローズ と、ロッキーバローズ

血統の特徴としては①②が必須ですが、
①が母父・母母父ともにナスルーラ系・ボールドルーラー系に属していればOKです。

①母方にはナスルーラ系(ボールドルーラー系を含む)が必須。
②母方の5代血統表に、ノーザンダンサー系の血が必須
代表例としては、Nureyev、Lyphard、Caerleonのいずれかが欲しい。


・キャピタルシステム(モズの冠名)
POGの期間内よりは期間後がより楽しみな馬が多い傾向です。
期間中の勝ち上がり率は 2/7 で28.6%
勝ちあがれ無かったモズアスコットが後にGIを制しています。
モズアスコットは②こそNijinskyでギリギリでしたが、①②③を全てクリア、
牝馬がオークスで2着になったことがあるように、狙うなら牝馬がPOGでは良さそうな馬主でもあります。
矢作厩舎の得意なパターンに合致する事はレアケースかもしれませんが、先々まで追いかけて応援したい馬を指名するロマン込みなら、決して悪い話では無いでしょう。


<クラブ>
・サンデーレーシング
一応データを出しますが、あまり意味が無いように思います。
レース一覧・馬主(レース時):サンデーレーシング

レース一覧・馬主(レース時):サンデーレーシング  種牡馬別集計

種牡馬 着別度数1走当賞金 賞金合計平均着平人気
ディープインパクト 8- 4- 2- 7/211989万円41775万円3.0着1.8人気
ステイゴールド 3- 2- 0- 3/ 8603万円4830万円3.3着4.4人気
ネオユニヴァース 2- 1- 0- 3/ 6288万円1730万円5.5着4.7人気
ロードカナロア 0- 0- 0- 5/ 535万円175万円6.4着6.0人気
ハービンジャー 0- 0- 0- 5/ 525万円125万円8.0着9.0人気
ゼンノロブロイ 0- 0- 0- 3/ 30万円0万円8.7着8.0人気
ハーツクライ 0- 0- 0- 1/ 10万円0万円7.0着4.0人気
集計期間:2010. 4.10 ~ 2018. 4.14
ソート:着別度数順

これまでの成功例はいずれも
・母がラヴまたはラブで始まる繁殖牝馬
・父がディープインパクト
・全兄または全姉が1歳上に居て、期間中の阪神競馬場で行われる重賞で好走している
が条件。
そしてそのあとの弟や妹は、ポイント荒稼ぎタイプにはなれていません。
2着で馬券になっている姉→弟が日本ダービー制覇
0秒1差で馬券にはならなかった兄→弟は皐月賞2着などで荒稼ぎ

今年はルーラーシップ×ミクロコスモス1頭のみ。
母と父の傾向を逆にすれば①②③が全て揃う血統ですので、コツコツ稼ぎを狙うならアリではないかと勝手に思っています。予想を裏切ってガンガン活躍したりしてね。


・社台レースホース
社台ファーム生産馬で①②③に該当し、リが付く馬なら条件としては問題ありません。
コツコツ稼ぎをした馬は、半兄または半姉が期間中の重賞勝ち馬であること。
これが絶対条件です。
レース一覧・調教師:矢作芳人/馬主(レース時):社台レースホース

レース一覧・調教師:矢作芳人/馬主(レース時):社台レースホース  馬別集計

着別度数1走当賞金 賞金合計平均着平人気
ステイフーッシュ 2- 0- 1- 2/ 51580万円7900万円5.0着6.0人気
マイアベーア    2- 3- 1- 1/ 7296万円2075万円2.1着2.0人気
ファンタサイズ   1- 4- 1- 6/12153万円1840万円3.3着2.4人気
カムイミンタラ   1- 0- 0- 2/ 3166万円500万円7.7着11.0人気
ゴールドヘリテージ 0- 0- 0- 4/ 40万円0万円12.3着9.3人気
スパイラルネビュラ 0- 0- 0- 1/ 10万円0万円11.0着4.0人気
集計期間:2013. 2.10 ~ 2018. 5.27
ソート:賞金合計順

GI勝利がまだ無い組み合わせですし、ポイント荒稼ぎタイプをするなら基本に忠実になる必要はあります。
今年は預かっていませんので、来年以降に今までの分まで取り返す活躍があるかもしれませんね。


・キャロットファーム
生産牧場はノーザンファーム一択で、先程の①②③が父と母の5代血統表でしっかりと網羅されて居る事が必須条件です。
ハービンジャー×サンデーサイレンスだった ドレットノータス は①②③を全て持っていましたし、コツコツ稼ぎとも言え京都2歳Sを勝ってくれたことを考えれば、十分な戦力と評価して良いでしょう。
プルメリアスターも①②③が全て揃いコツコツ稼いでくれたとは言え、500万をやっと勝ち上がったレベルでした。やはり父はゼンノロブロイよりハーツクライがベターですね。

GI勝利がまだ無い組み合わせですし、ポイント荒稼ぎタイプをするなら基本に忠実になる必要はあります。
今年はだいぶゆっくり進めている牝馬が1頭だけ、来年以降に今までの分まで取り返す活躍があるかもしれませんね。


・シルクレーシング
過去5年間で言えば 7/8 と非常に高い確率で勝ちあがってはいますが、①②③ではどれかが足りない状況で伸び悩んでいます。

重賞勝利ですらまだ無い組み合わせですし、コツコツ稼ぎタイプを選ぶなら基本に忠実になるしかないでしょう。
今年はロードカナロア×母父サンデーサイレンスの メテオスウォーム が1頭だけ。①②③を母父逆にすれば何とかクリアはしていますけど、矢作厩舎ではまだ結果を出していない種牡馬。
それだけに、果たしてどうなるでしょうか。


・ライオンホースクラブ
こちらは2歳の完成度だけで通用できる函館2歳ステークスを勝った経験もあり、4/7 で57.1%の勝ち上がりを誇っています。
マル外を見極める理論と言いますか、丁半バクチのような度胸が居るところですが、上手く行けばコツコツ稼ぎにはなりますね。

先程も触れましたが
①母方にはナスルーラ系(ボールドルーラー系を含む)が必須。
これは確かに必須です。
またこれは、サラブレットクラブライオン(ライオンホースクラブ)特有かもしれませんが、

③ネイティヴダンサー系もしくはミスタープロスペクター系がある。

これが母方ではなく父方でもOKと言うのがポイント。
つまり、父がネイティヴダンサー系もしくはミスタープロスペクター系であれば、チャンスはありそうです。今年の3頭はいずれも該当せず。

来日していることはまるごとPOGでは確認していますが、名前が決まっていませんし2018年6月の、この記事を書いている時点でまだ一口馬主募集中と言うのが、どうにも・・・。
来年以降のスタートダッシュ要員として検討の余地はありそうですが、今年の3頭は古馬になってからの楽しみはあるのかもしれないですね。



結論としましては、これまでの法則どおりでGIを勝つような大物を狙うより、
重賞を勝ったりして着実に賞金を稼ぐ存在・POG期間後も応援できる2歳馬を見つけるのが、肝要では無いでしょうか。

大井競馬に縁の深い調教師で、預かっている騎手も父が大井競馬の坂井英光騎手のご子息である、坂井瑠星騎手。
長い時間を掛けてでも結果を出すために、しっかりと芯のある厩舎運営をしている点はやはり好印象。だからこそPOG期間内に是が非でも結果を出せなんて、焦らせるのは禁物と考えるのも自然な気はしますよ。

みなさん、こんにちは
多幸@キシュランガイドです。

※毎度の事で恐縮ですが、POGに参加する一個人の見解が記載されております。
一部未確定・未確認の事項もございますことを、あらかじめご承知おきください。

こんな時間にいきなり記事をアップしたのは、
とあるテレビ局の番組収録を見せてもらったからです。

そして、POGクリニックとしては・・・

あの調教師の何が凄いのか、
どうして凄いのか、
窺い知る事ができました!


って事です。

(ここまで書けば、勘の鋭い諸兄・諸姉ならお分かりのはず)

この事については、のちほど

 パトロールフィルムを放映します

おっと、つまらないボケをお許し下さい。



じゃなかったですよね、
その厩舎の分析特集を組む際に、しっかりと記載したいと思います。
それによってPOGドラフトがより激戦になったとしても、俺ぁ知らねぇよ


私自身、その厩舎の戦略とかPOGにおける位置づけに関して、
おぼろげながら「あれ?こう言うことなんじゃないの?」って考えていた事があったんですが、
それはやはり間違いではない事を確信しました。



いずれにしても競馬番組としてオンエア前に、もしもカットされても大丈夫なようにちゃーんとメモしておきましたので、皆さんに

「あの調教師を、こう言う理由で信頼して、POG戦略をしっかり立てましょうよ!」

ってお伝えできればと思っております。



簡単ではございますが、今回のところはひとまずここまで。
(記事のアップは少し落ち着いた頃に、ひっそりと行いたいと思います。)

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