2019年7月30日
ディープインパクト、永眠。

ただ、ただ、合掌ー

さて、今回はディープインパクト亡き後、どの厩舎を選択するのがPOGで優位になりそうなのか。
ディープインパクト産駒が数多く活躍した2018-2019シーズンまでのデータを振り返って、傾向を探ってみようと思います。

まず最初に、種牡馬の成績を観てみます。
ディープインパクトはどれ程偉大な種牡馬だったのか。

データは2014年6月の新馬戦から、2019年5月末のダービー・デーまで丸5シーズン。
500万以上の成績で出しています。

種牡馬着別度数勝率連対率複勝率
ディープインパクト159-117-113-595/98416.20%28.00%39.50%
キングカメハメハ59-61-57-303/48012.30%25.00%36.90%
ダイワメジャー55-61-74-495/6858.00%16.90%27.70%
ハーツクライ52-56-43-368/51910.00%20.80%29.10%
ハービンジャー41-40-42-291/4149.90%19.60%29.70%
マンハッタンカフェ38-32-28-210/30812.30%22.70%31.80%
ロードカナロア36-24-16-177/25314.20%23.70%30.00%
キンシャサノキセキ31-31-40-294/3967.80%15.70%25.80%
ゴールドアリュール31-18-26-195/27011.50%18.10%27.80%
クロフネ30-34-21-240/3259.20%19.70%26.20%


もう、まさにディープインパクト1強。
恐れ入りました。

これだけの種牡馬を失った損出は計り知れませんが、時間を後ろに戻すことは出来ません。
前を向きましょう。

ちなみに種牡馬別の成績を1走当たりの賞金額で算出すると、少し風向きが変わってきます。

種牡馬着別度数賞金合計賞金シェア1走当賞金
Frankel7-0-3-17/2731320万円0.70%1160万円
ディープインパクト159-117-113-595/984810469万円18.70%823万円
ジョーカプチーノ4-2-0-14/2012062万円0.30%603万円
キングカメハメハ59-61-57-303/480288103万円6.70%600万円
オルフェーヴル9-10-8-73/10059870万円1.40%598万円
ロードカナロア36-24-16-177/253144008万円3.30%569万円
Mineshaft4-5-1-3/137310万円0.20%562万円
ブライアンズタイム6-4-3-17/3016800万円0.40%560万円
ジャスタウェイ7-12-4-41/6432592万円0.80%509万円
トワイニング4-1-1-15/2110170万円0.20%484万円
Giant'sCauseway1-1-0-9/115322万円0.10%483万円
Blame3-0-1-7/115300万円0.10%481万円
Kitten'sJoy3-4-3-16/2612050万円0.30%463万円
Tapit7-4-2-23/3616638万円0.40%462万円
Speightstown5-7-2-18/3214230万円0.30%444万円
ScatDaddy5-2-4-16/2712000万円0.30%444万円
NewApproach1-2-1-8/125130万円0.10%427万円
ルーラーシップ28-32-35-192/287113518万円2.60%395万円
ハービンジャー41-40-42-291/414163495万円3.80%394万円

フランケルは産駒が少なく、賞金を稼いだのが居たおかげで単価が高い。
金額の差はあれど、同じ傾向なのがジョーカプチーノ。
ただし、母:ジョーアラマートの産駒で上田けい子オーナーの所有馬が極端に稼ぐ(例:ジョーストリクトリ)ので、実質的な種牡馬の争いは

  • オルフェーヴル
  • ロードカナロア
  • ジャスタウェイ


  • が一歩リードしている状況です。
    今シーズンは特に、この3頭の産駒がどれだけやれるかにも注目してみたいものです。

    それから、先程のデータを重賞のみに限定してみましょう。

    種牡馬着別度数賞金合計賞金シェア1走当賞金
    Frankel4-0-1-7/1226300万円0.60%2191万円
    オルフェーヴル5-4-1-22/3249890万円1.20%1559万円
    ディープインパクト61-46-45-288/440637400万円14.70%1448万円
    キングカメハメハ16-20-22-105/163212820万円4.90%1305万円
    ロードカナロア12-5-1-62/80102130万円2.40%1276万円
    バゴ3-3-4-15/2525640万円0.60%1025万円
    ローエングリン2-0-0-9/1110920万円0.30%992万円
    ジャスタウェイ0-4-2-14/2017390万円0.40%869万円
    Kitten'sJoy1-1-1-7/108560万円0.20%856万円
    ブライアンズタイム1-1-0-8/108300万円0.20%830万円
    クロフネ5-5-4-47/6148020万円1.10%787万円
    ダイワメジャー11-15-19-119/164124150万円2.90%757万円
    ルーラーシップ4-6-10-69/8966190万円1.50%743万円
    ハービンジャー13-6-12-114/145103690万円2.40%715万円
    バトルプラン2-1-0-8/117800万円0.20%709万円
    ゴールドアリュール3-1-2-16/2215580万円0.40%708万円
    ステイゴールド6-12-12-93/12380740万円1.90%656万円
    マツリダゴッホ3-6-7-33/4932070万円0.70%654万円
    ハーツクライ12-15-13-148/188121350万円2.80%645万円
    スクリーンヒーロー5-4-2-50/6138130万円0.90%625万円

    まだこれからと言うところでもありますが、比較的競合が少ないのはオルフェーヴル。
    重賞で稼ぐ当たりを上手く掴めればリターンは大きい印象です。

    ロードカナロアはこれから過剰人気になってくるでしょうけど、重賞でガンガン稼ぐのは一握り。
    戦略上、レッドオーシャンに敢えて飛び込むのはアリですよ。
    でも、リターンの割にリスクがデカい。
    そう言うのは仲間で潰し合いしてもらった方が、あなただけ有利になるから上手く使えよってハナシ。

    ジャスタウェイは昨シーズン重賞勝ちが出なかったのが誤算。
    チマチマ稼いで僅かでも上増ししたいなら、競合も少ないですし指名はアリでしょう。
    但し、せめて1割程度の頭数で抑えておくのが理想じゃないですかね。



    では、そろそろ本題。
    ディープインパクト産駒で稼ぎまくった厩舎と、ディープインパクト以外の産駒で稼いでいた厩舎。
    この辺りを紐解いてみましょう。

    まずはディープインパクトで稼ぎまくっていた厩舎。

    調教師着別度数賞金合計1走当賞金
    (美)手塚貴久5-3-2-4/1430670万円2190万円
    (栗)中内田充8-2-1-10/2140610万円1933万円
    (栗)友道康夫15-10-4-22/5195924万円1880万円
    (栗)平田修2-2-2-6/1216360万円1363万円
    (栗)池江泰寿22-12-12-47/93119772万円1287万円
    (美)木村哲也4-2-3-4/1316410万円1262万円
    (栗)池添兼雄3-1-0-8/1214630万円1219万円
    (栗)石坂正5-3-3-19/3034080万円1136万円
    (美)萩原清3-3-2-9/1719280万円1134万円
    (栗)角居勝彦9-4-5-25/4347679万円1108万円
    (美)藤沢和雄10-7-5-20/4244840万円1067万円
    (栗)高野友和6-7-2-16/3132460万円1047万円
    (栗)矢作芳人6-7-5-23/4141422万円1010万円
    (栗)中竹和也5-3-3-16/2724060万円891万円
    (美)国枝栄12-8-6-28/5434562万円640万円
    (美)鹿戸雄一3-1-2-10/169980万円623万円
    (栗)音無秀孝8-1-9-35/5327264万円514万円
    (栗)須貝尚介1-2-3-11/178732万円513万円
    (栗)藤原英昭6-6-11-32/5525690万円467万円
    (栗)安田隆行1-2-5-6/146480万円462万円


    集計に菊花賞のフィエールマンが入ってしまったのもあるんですが、トップは手塚貴久厩舎。
    主な活躍場にマウレアと、ハートレーが居ます。

    2位が中内田充正厩舎。
    主な活躍場にダノンプレミアム、ダノンファンタジー。それからオールフォーラブ。

    3位に友道康夫厩舎。
    主な活躍場にマカヒキ、ワグネリアン。秋華賞も入れて良いならヴィヴロス。

    ・・・とまぁ、こう言った厩舎が過去5シーズンではディープインパクト産駒で強かったわけです。
    続いて、ディープインパクト産駒以外で稼いでいた厩舎。

    調教師着別度数賞金合計1走当賞金
    (美)藤沢和雄25-20-17-69/131118836万円907万円
    (美)堀宣行16-10-7-50/8370334万円847万円
    (美)国枝栄15-17-13-59/10474858万円719万円
    (栗)友道康夫21-20-17-94/152102736万円675万円
    (栗)角居勝彦18-14-17-75/12483446万円672万円
    (栗)池江泰寿18-15-10-58/10165592万円649万円
    (栗)藤原英昭8-15-3-55/8149463万円610万円
    (栗)松田博資4-4-3-24/3520920万円597万円
    (美)菊沢隆徳14-11-3-49/7744264万円574万円
    (栗)橋口弘次6-2-4-28/4021662万円541万円
    (美)大竹正博13-4-3-42/6233134万円534万円
    (栗)藤岡健一10-16-4-83/11356228万円497万円
    (栗)中内田充13-16-11-63/10349016万円475万円
    (美)小島茂之8-6-7-56/7736200万円470万円
    (美)萩原清10-9-7-27/5324200万円456万円
    (栗)梅田智之8-12-5-59/8437634万円448万円
    (栗)橋田満4-3-5-34/4620142万円437万円
    (栗)武幸四郎3-1-1-14/198262万円434万円
    (栗)笹田和秀5-5-3-54/6728992万円432万円
    (栗)音無秀孝21-18-25-113/17776594万円432万円


    1走当たりの賞金が半額以下になりますが、1位は藤沢和雄厩舎。
    主な活躍馬にレイデオロ、ソウルスターリングなど。
    ただ、ここ最近ディープインパクト以外の産駒で重賞を勝ちきれていないのは引っ掛かります。

    2位は堀宣行厩舎。
    こちらもドゥラメンテとサトノクラウンが効いています。
    近年は期間中の重賞勝ちがありません。

    3位は国枝栄厩舎。
    主な活躍場にアーモンドアイ。重賞勝馬で良ければオウケンムーンが居ます。

    つまり、当たりはでかいけどハズレもいっぱい。
    無条件に信頼できる厩舎はないものか。
    ディープインパクト以外の賞金総額を、全体の額で割って非依存度を比較してみましょう。
    調教師着別度数賞金合計1走当賞金非依存度
    (栗)橋口弘次6-2-4-28/4021662万円541万円100.00%
    (栗)笹田和秀5-5-3-54/6728992万円432万円100.00%
    (栗)梅田智之8-12-5-59/8437634万円448万円100.00%
    (栗)武幸四郎3-1-1-14/198262万円434万円100.00%
    (美)小島茂之8-6-7-56/7736200万円470万円98.91%
    (美)大竹正博13-4-3-42/6233134万円534万円98.81%
    (美)菊沢隆徳14-11-3-49/7744264万円574万円97.53%
    (栗)橋田満4-3-5-34/4620142万円437万円96.68%
    (栗)藤岡健一10-16-4-83/11356228万円497万円96.65%
    (栗)松田博資4-4-3-24/3520920万円597万円80.25%
    (美)堀宣行16-10-7-50/8370334万円847万円79.35%
    (栗)音無秀孝21-18-25-113/17776594万円432万円73.75%
    (美)藤沢和雄25-20-17-69/131118836万円907万円72.60%
    (美)国枝栄15-17-13-59/10474858万円719万円68.41%
    (栗)藤原英昭8-15-3-55/8149463万円610万円65.82%
    (栗)角居勝彦18-14-17-75/12483446万円672万円63.64%
    (美)萩原清10-9-7-27/5324200万円456万円55.66%
    (栗)中内田充13-16-11-63/10349016万円475万円54.69%
    (栗)友道康夫21-20-17-94/152102736万円675万円51.71%
    (栗)池江泰寿18-15-10-58/10165592万円649万円35.39%

    既に引退した調教師も含めていますが、POGクリニック流の厩舎攻略を考えてみました。



    まず、小島茂之厩舎。
    シルクで2勝、ロードで1勝と、期間中重賞3勝は立派。
    非依存度も98%と、ディープインパクト・ロスの影響はかなり少ないはず。


    それから、大竹正博厩舎。
    ノーザンファーム生産馬で、ミスタープロスペクターの血統が5代以内に入っているクラブ馬。
    キャロットで1勝、シルクで1勝と伸びしろも感じさせる。
    非依存度98%台とこちらも影響はかなり少ないはず。


    つづいて、藤岡健一厩舎。
    傾向が掴み難いが、種牡馬や牧場に縛られない実績があります。
    強いて言うならトレンドの最後を掴んでいるような、そんな運の強さもあります。
    非依存度96%とかなりの高水準。


    最後に堀宣行厩舎。
    こちらは大きく分けて2パターン。
  • バローズ(猪熊オーナーの所有馬)で、マル外
  • ノーザンファーム生産の牡馬・セン馬

  • 頭数の割には活躍場が少ないかなと言う印象。


    これから先、ディープインパクト産駒だけに頼りきらない運営が出来る厩舎が、POG以外でも勝負運を味方に付けるんじゃないでしょうか。
    それぞれの種牡馬ごとに攻略の糸口がありますが、競合してでも指名に行く・競合を避けて穴狙いに徹するにしても、ディープインパクト以外の産駒でも結果を残せている厩舎に、更なるアドバンテージがありそうな気がします。