みなさん、こんにちは
多幸@キシュランガイドです。

こちらのページでは厩舎別の考察を行います。
今回は 木村哲也厩舎 です。

※POGに参加する一個人の見解が記載されております。
一部未確定・未確認の事項もございますことを、あらかじめご承知おきください。

次世代の関東エース候補と、私たちの仲間内POGでは評価されています。
私個人はそこまでの期待をなんとなくですが、掛けてはいません。
まだGIを勝っているワケでは無いって言うのも大きいですが、念のため言っておきます。

このまま低空飛行は無いでしょうよ

ただ、確証に繋がる様なデータもまだ無いのが事実。
今後の指名には避けて通れない厩舎だけに、方向性を毎年アップロードしていく必要はありそうですね。
あーアタマ痛いわ。


まずは、ここ5年間の成績を出してみます。
昨年度(2017-2018)のPOGではステルヴィオが大活躍。

1走あたりの賞金も、まだ2歳戦がちょっとしか始まっていないのに、賞金合計額もぐぐーんと伸ばしてくれました。
比較の為に掲載しておりますが、実質大切なのは2015年や2016年の成績でしょう。

レース検索

レース検索  年・年月別集計

年・年月 着別度数 賞金合計1走当賞金
2018年 11- 8- 5- 29/ 5321750万円410万円
2017年 13- 14- 12- 41/ 8021945万円274万円
2016年 18- 22- 10- 73/12322013万円178万円
2015年 19- 9- 9- 63/10022891万円228万円
2014年 9- 8- 12- 84/1139779万円86万円
2013年 6- 6- 5- 80/ 975811万円59万円
集計期間:2013. 1. 5 ~ 2018. 6.16

木村哲也厩舎は牝馬では結果を出しやすく、牡馬では奮わなかったのが2017年までのPOGで見せていた傾向でした。
いよいよ牡馬にも・・・と思いたいところですが、毎年のように各クラブなり有力な馬主さんから預かっていながら、もっと結果が出そうな気もしてくるんです。

それがなんでこんなに時間が掛かったのかを考え、今後の戦略に生かしていくしかなさそうです。

ちなみに、この集計期間内に賞金を稼いだトップ5を挙げてみましょう。
何か傾向があるかもしれません。
レース検索

レース検索  馬別集計

着別度数 賞金合計1走当賞金
ステルヴィオ    3- 2- 0- 2/ 713500万円1928万円
$アルビアーノ    3- 1- 0- 0/ 48420万円2105万円
プリモシーン    2- 1- 0- 2/ 55330万円1066万円
フローレスマジック 1- 2- 2- 1/ 64160万円693万円
ヴェラヴァルスター 2- 1- 1- 1/ 53000万円600万円
集計期間:2013. 1. 5 ~ 2018. 6.16
ソート:賞金合計順

ディープインパクト以外で結果を出しているのが、かなり目立っていますよね。

そもそもの話。
馬主さんの実験台のような、そんな馬を預かっていたのも原因。
これは責めないでおきましょう。

その上で、ロードカナロア×ヌレイエフ(Nureyev)または、ニアリークロスになるフェアリーキング。
出来れば5×3にしたいけど、最低でも5×4でどうにか。
このトレンドにあるプリモシーンやステルヴィオを、とりあえずクラシックに載せた実績を考えれば、楽しみなのはむしろこれからです。

兄弟が走る馬を管理させ、どれだけのパフォーマンスを見せてくれるのか。
ここが注目ポイントになるでしょう。

ただ、先程も申し上げたようにディープインパクトでなかなか稼げない。
もっと言えば、キングカメハメハでもなかなか稼げていません。
ここがどうしてなのかを、POGクリニックなりに考えます。

レース検索

レース検索  種牡馬別集計

種牡馬 着別度数 賞金合計1走当賞金平均着平人気
ディープインパクト 6-12- 5-18/4114460万円352万円5.0着3.8人気
ロードカナロア 3- 2- 0- 2/ 713500万円1928万円2.7着2.3人気
Harlan's Holiday 3- 1- 0- 0/ 48420万円2105万円1.3着2.3人気
ステイゴールド 5- 4- 8-10/276790万円251万円4.4着4.1人気
ハービンジャー 5- 2- 6-14/276029万円223万円3.9着4.1人気
ハーツクライ 3- 4- 2- 8/174290万円252万円4.5着3.9人気
Dubawi 3- 2- 2- 3/103860万円386万円2.6着3.4人気
キングカメハメハ 5- 0- 2-10/173477万円204万円5.3着3.8人気
ダイワメジャー 3- 1- 2- 7/133162万円243万円4.5着4.8人気
ルーラーシップ 2- 3- 3- 2/103150万円315万円2.9着1.2人気
集計期間:2013. 1. 5 ~ 2018. 6.16
ソート:賞金合計順

まず①として、
ウッドチップコースで仕上げる過程が、1走で1500万以上稼ぐ仕様ではない

次に②として、
馬の絶対能力に頼るしかない

これから改善していくとは思いながらも③として
馬の状態把握が理路整然としていない

④として、
騎手起用が戸崎圭太騎手・C.ルメール騎手の2択で、来日している一流の外国人騎手を確保できるかどうかが不透明

と言うのが大きく分けるところです。
個人的な見解ですが、楽しみは確かにこれからなんですけど、運が良ければ・・・の範疇を出ないんです。
だから取捨選択はハッキリしやすいのかなぁと言うのが、これまでを振り返ると正直なところです。
なので、見向きもされない厩舎に成り下がっていく可能性すらあるんですよ。

でも、POGクリニックとしてはせっかくサラリーマンの世界から調教師になってくれた方をただ切り捨てるつもりも無いですし、
美浦トレセンの空気を変えるぐらいに活躍し、競馬界を更に盛り上げて欲しいなと強く願っています。

しかし、POGの指名馬を選ぶ上では心を鬼にしなくてはなりません。
各項目についてご説明をしましょう。



①ウッドチップコースで仕上げる過程が、1走で1500万以上稼ぐ仕様ではない
木村哲也厩舎の代名詞とも言える、美浦のウッドコース4ハロン追い。
短いのがダメだと言っているんじゃないんです。
もちろん5ハロンや6ハロンから追い出したりとか、そう言う事も交えつつ4ハロンも有効活用してくれれば良いんです。
ディープインパクト産駒に限らず、キングカメハメハ産駒でも結果が出ないと言うことでピンときたのは、競馬王と言う雑誌などに連載している本島修司氏の受け売りでもあるあの説。

強いキングカメハメハ産駒の見分け方は、
勝負どころのコーナーで加速しながら回ってくる事ができるかどうか

これなんですよ。
木村哲也厩舎は確かにコース調教もかなり多くしてくれますが、牧場であらかた仕上がっているので最終追いきりが微調整と言うような調教内容なのが、非常に多く目立ちます。

例えば、ウッドコース4ハロン追いとした場合、通る位置がコースの外側を示す[7]とか[8]なんてケースがまずありません。
大体が[3][4]と言うところを通ります。
そして追うにしても、直線で強めに追う程度。

しかもウッドコースの外側を使って追い切るにしても、大体が馬なり余力と言うパターンが殆どなんです。

トップスピードを出しながら曲がる事が難しいのは、乗馬をやったことが無い人であっても、学校の校庭などで走ったり自転車をこいでいれば、コケるなどして体感出来る事です。

キングカメハメハ産駒・ルーラーシップ産駒の長所が埋没してしまい、
ディープインパクト産駒の持つ切れ味+競り合いで求められるメンタル面と筋持久力を鍛える機会が少なくなる。

其処により早く走らせるチャレンジを、なかなかしてくれない
栗東では当たり前のようにされて居る事を、取り入れてはくれない
これが関西馬と当たった時にモロに出てしまっています。

僅かな差かもしれませんが、塵も積もれば山となります。
中山競馬場でどうにかなっているのは、関東馬同士で当たっていたり関西馬は輸送で本来の能力を発揮しきれないケースにも助けられたからでしょう。

レース検索

レース検索  場所別集計

場所 着別度数 賞金合計1走当賞金
札幌 1- 1- 0- 1/ 31880万円626万円
函館 4- 2- 0- 6/ 122619万円218万円
福島 0- 2- 2- 16/ 201155万円57万円
新潟 5- 6- 5- 27/ 435385万円125万円
東京 34- 28- 22-175/25943536万円168万円
中山 31- 22- 22-128/20343869万円216万円
中京 0- 1- 0- 11/ 12250万円20万円
京都 1- 1- 0- 2/ 41120万円280万円
阪神 0- 4- 1- 3/ 84245万円530万円
小倉 0- 0- 1- 1/ 2130万円65万円
集計期間:2013. 1. 5 ~ 2018. 6.16

厩舎の存在意義は何なのかを考えると、故障させない事を第一に考える調教師もいらっしゃいます。
これも確かに凄く大事な事。
ただ、調教師としては「レースに勝たせるために最善を尽くす」必要もあるのですから、より鍛えて強くする事の知識・経験で差を付けられてしまいます。

調教助手・調教師自身も調教助手経験がありますので、馬の乗り方で何が難しいのかは良く分かっていると思います。
これが単なる乗り役の実力不足なのか、意図的な厩舎方針なのかは次の項目でも考えてみます。



②馬の絶対能力に頼るしかない
結局のところ、調教で能力・経験の積み増しが出来ないとなると、馬の能力だけで勝負するしかなくなります。
ほんの僅かの差が1着と2着を分けるのが競馬の世界。
そこに、絶対能力でリードしている2歳馬なんて、早々滅多には居ません。
もし仮にいたとしても世代で片手行くかどうかぐらいなものでしょう。

だからこそデビュー前とデビュー後の調教は大事なのですし、
ましてや故障や怪我だってしてしまうサラブレットなんですから、
調教師の存在・育成方針は非常に重要視される事項です。

現に重賞を勝てる調教師と、まったくウダツの上がらない調教師では、やって居る事と考えて居る事と、オーナーとの付き合い方だった全く異なります。

先程①でコース追い切りの「単なる乗り役の実力不足なのか、意図的な厩舎方針なのか」について言うと、
もし乗り役の実力不足なだけなら、美浦の騎手を上手く使う事だって出来るわけですから、やはり意図的な厩舎方針だと考えるのが自然です。
よく言えば馬優先ですけど、言葉を選ばず言えば「オーナーの期待に応えるため」の最善策を、未だ模索中と言うしかないのでしょうね。

もちろん愛馬を預ける先の選択肢としては、3歳クラシックにこだわらなければ有力な厩舎と考えて差し支えないはずです。



馬の状態把握が理路整然としていない
こればかりは素人がいくら騒いでも、実行するのは センセイ なんで、あくまでも参考程度でしかないんですが、木村哲也厩舎をPOGで指名することの最大のリスクだと思っています。

まず、参考資料として2017年頃に掲載されたと思われる、某一口馬主クラブのインタビュー内容を御覧下さい。
https://www.tokyo-tc.com/trainers_voice/pdf/trainers_voice_vol_12.pdf

注目して欲しいのは中程の少し上にある「厩舎としてのポリシーや約束事をお聞かせ下さい」と言うところです。

判断や決断に迷った時「とにかく馬をよく見ろ」と。

これだけなら確かに模範的な回答です。
何も捻くれてこんな文章を書いている訳じゃありませんよ。

では、その判断や決断に何故迷うのか。
獣医学部を卒業した大竹正博調教師と非常に密接な関係を持ちながら、馬の管理で判断や決断に迷うとするとなると、やはり「とにかく馬を良く見る」だけでは解決できない事にもなってきます。

馬との接し方、疲労度、得意不得意、メンタル面・・・
これと言った木村哲也厩舎ならではの基準、ナレッジがまだ出来ていないからでしょう。
アイルランドでも競馬を学んできた経験があるんでしょうし、競馬を観る視野の広さは美浦でも群を抜いていると思うんですが、決定的に違うのは

 じゃあ、栗東はどうなんだろう。
 どんな事をやっているんだろう。

このアンテナの張り方と経験値・知識が、ロジユニヴァースの遠征時に帯同していた大竹正博調教師とはやはり差があります。

競馬をすれば、勝つのはたった1頭。
負けてしまう馬が殆どの世界です。
その中で、少しでも有利に戦うためには、馬を見るのも大事ですが「どんな情報を得ているのか」がカギを握っています。

便の状態、歩様に気配、尻尾やタテガミの毛先の艶・・・
パドックでも窺い知る事ができるものを、どう活かしているのか正直気になりますよ。

先程のPDF資料には、GIに使った後の状態についても

大レースに使った後は成績が低迷しがち。
肩に力が入って調教をやりすぎていないか、知らず知らずのうちに馬にプレッシャーを掛けていないか・・・

とあるんですよ。
コレ、一体どうやって測っているんでしょうね。
調教をやりすぎているかどうかは血液採れば結構分かるでしょうし、食べているもの・量の減り方でも敏感に感じ取れると思うんですよ。
プレッシャーを感じているとすれば、どのように取り払うのかとかも、今後誰から学んで伸ばしていくのかが気になるところ。

現時点ではPOG期間内にどうにかするためのノウハウ・人材・ブレーン不足なのではないかと疑いたくなっても、致し方ありません。



④騎手起用が戸崎圭太騎手・C.ルメール騎手の2択で、来日している一流の外国人騎手を確保できるかどうかが不透明
ここも今後変わっていくでしょうけど、戸崎圭太騎手もC.ルメール騎手も確保できなくなった場合、ポイントは他の厩舎が管理している馬に行くのですから、これもリスクヘッジがまだ上手く出来ていない点です。

C.ルメール騎手に関しては今後も藤沢和雄厩舎は勿論、矢作芳人厩舎からも争奪戦がより一層激しくなると思います。
戸崎圭太騎手を安定して確保できなくなったとしたら、やはり厳しくなってきます。

そして、2017年の朝日杯FSではクリスチャン・デムーロ騎手を確保する事で、なんとかステルヴィオは2着を確保できたのですが、こちらもクラブ馬(特にサンデーレーシング)で無ければ叶わない可能性が高くなってきます。

ここ一番の勝負どころで自動的に着順が悪くなる事から、どうやって逃れていく事ができるのか。
それが出来たとしても①②③の部分で、馬の仕上がりには疑問をつけざるを得ない状況がもうしばらく続くと考えたくなります。



そうは言いましても、毎年のように素質馬が入厩してくるだけに、期待は掛けられているのは事実。
POGの雑誌に対するインタビューでも、リップサービスだけはしっかり行っていますので、「具体的なコメントを出してきている」かどうかを判断材料に使っていく必要があります。

例えばですが
血統に関する話
配合に関する話
馬体に関する話(骨格、筋肉量など)
母馬の実績に関する話
生まれた頃は小さかったですが、今では大きくなってきました
距離適性に関する話

本に書いてある活字なら、こんなの疑って掛かれと言う事です。

血統や配合はデータベース見れば一発。
馬体に問題があれば競走馬登録なんて出来ないし、骨格や筋肉量でどうにかなるのはダートの未勝利戦ですよ
母馬だって波があるし、生まれてきた時はみんな小さいんですよ。

これが大きくなったのならば、馬体重が兄のステルヴィオを超えてとか、
体高がプリモシーンの同じ頃を超えたとか
そう言うのが記載されていない時点で、字面から「強さを感じさせない」んですよ。

馬体から見てこの馬はこれくらいの距離が合っていそうって言うのも、ドラフト対策で記事にしたいと思うんですが・・・その壁をどうにかするのが調教師の仕事では無いんでしょうかねって、思ってしまいます。



今年は指名馬が1頭居るのですが、同じフランケル産駒のソウルスターリングと共通点があるとすれば、母がフランスの重賞を勝っている(オークスは3着)って事ぐらい。
もしも絶対能力の違いがあれば、中山のフェアリーステークスやフラワーカップあたりでポイントを稼いでくれるんじゃないかと、ひそかに期待しています。

仮にもサンデーレーシングなので(ミスエルテの前例はあるにしても)、鞍上確保に冠しては若干でもアドバンテージはあるのが、せめてもの救い。
でも、絶対能力が無ければPOG指名としてはジ・エンドですね。
アルビアーノでノーザンダンサー系の育成に、何かヒントやノウハウがあれば・・・とは思ったんですが、それは今になってみると飛んだ見当違いだったのかも知れません。